内容説明
幽霊を捜して歩く右手が義手の男は、「絶対に中を覗くなよ」と言い残し、依頼主に惚れ込んだ時だけ仕事をする。「天下一の彫り物職人、左甚五郎たぁ、俺のことだっ!」理不尽な事態に巻き込まれて困っている人を放っておけない、謎多き男・甚五郎。今は亡き妻への想いを胸に、江戸へと向かう道中で降りかかる厄介事をおのれの「みぎて」で解決する、人情時代小説ついに開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
89
名工・左甚五郎を知らない人はいないだろう。えっ!知らないって?それは大変失礼しました。有名な日光東照宮の眠り猫が私にとっては一番の有名どころ。その左甚五郎の物語を白蔵さんが書けばこうなる、どうなる?!やはり面白いの一言。甚五郎は飛騨高山の出身で亡くなった愛妻の亡霊を探して江戸に向かって旅をする。その旅の途中で人助けのために彼が魂を込めて作る彫刻。これが左甚五郎なんだ~。アニメのような世界観の中に愛や哀しみが込められていて甚五郎が好きになる。妻の亡霊とは何事ぞ?知れば切ない物語。シリーズ化されるのが嬉しい。2025/06/12
オーウェン
57
この左甚五郎が実在した記録はないが、いそうな感じはする個性がある。 彫り物職人の甚五郎だが、依頼されただけでは引き受けない。 理不尽な出来事だったりで、苦しんでいる人のために惚れこみ彫り仕事をする。 出来上がった彫像には魂が込められ動き出す。 そして甚五郎が旅を続ける原因である死んだ妻の存在。 時代劇なのに何やらホラー的な雰囲気が出ているが、このまま続巻しそうな終わり方。 各地で悪政を裁く水戸黄門みたいな存在になりそう。2025/07/30
saga
47
日光東照宮の眠り猫でお馴染みの左甚五郎。謎多き人物であり、本作のように右手が義手(その理由は本作第五話で明らかに)で、その義手でさえ動くと言っても納得してしまう(笑)。宿場での彫り物の話は落語「ねずみ」のように、人情味あふれる甚五郎だし、流行り病に倒れた女房を想って彫った人形を求めてさすらう甚五郎の姿は、まさに鬼気迫るものがあった。2025/08/31
ポチ
47
左甚五郎の彫った彫刻は動きまわると何かで読んだ事があるが、なるほどこういう事だったのか。あの死んだ奥さんにはまた会えるのかなぁ。気になる(笑)とても楽しい作品でした。(少しうるうるあり)2025/07/02
mushroom
27
右手を失った左甚五郎が行く先々で厄介事に巻き込まれる5編の連作短編集。自分が納得すれば閉じこもって彫り物をする左甚五郎。その出来上がった彫り物で事件を解決していきます。最後に続編の匂いを感じさせて気楽に読めた時代小説でした。2026年に第2弾が出るらしいので読みたいです。2025/07/12




