内容説明
少年犯罪、学級崩壊、学力低下など、いわゆる教育問題が議論される際に、学校や教師のあり方が問われることは多いが、家庭教育のあり方、ことに「父親は何をすべきか」が問われることは少ない。両著者はこれまで、学者、ジャーナリストという、それぞれの立場から、日本の教育問題について、さまざまな論考、提言を発表してきた。その彼らが人生を振り返りつつ、「自分たちは父から何を学び、それをいかに子供たちに継承しているか。家庭教育における父親の役割とは何か」について語り合った。仕事はしないが、プライドだけは高い父によって刷り込まれた「学問への志」。薩摩隼人で、正義のためならヤクザにも警官にも立ち向かう父から学んだ「男のダンディズム」……。いずれもが型破りな父でありながら、その生き様が両著者の人格、人生に多大な影響を及ぼしているところが垣間見え、興味深い。日本の言論界に一石を投じてきた両雄による体験的教育論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
snow
1
渡部昇一氏と屋山太郎氏、お二人がお互いの父親の姿を通して受けた影響や我が子への教育をどうしてきたか、また自身も省みながら今後の日本の教育体制をどうしていくべきかを語り合う。お二人の父親、時代的にどこか芯に太い骨を持った気骨ある日本人。いまではモノクロの任侠時代物テレビでしか見かけなくなったのは寂しいことである。ジェンダーフリーがやかましい昨今。だがかたつむりなどの低級な動物は男女が分化していないことから、男女が同じような言葉を話すのは進化していないのではないか、というのはおもしろい視点で納得してしまう。2022/06/03