内容説明
俳諧の確立のため奥州への旅を望んだ松尾芭蕉。弟子の曾良はその旅に同行することに。師の抱える矛盾に翻弄されながらも、名句が誕生する瞬間に立ち会える感動も味わう。その凄みや壮大な野望を実感するごとに、彼が創作のためには自らとの別れすらも欲していることに気付いてしまう。曾良視点で描く、俳諧の巨人との道中記。軽妙な文体で描かれた珍道中を楽しみつつ、紀行文の最高峰に込められた奥深さ、名句誕生の瞬間に立ち会う感動を体感できる、青春小説の名手による画期的な初の歴史小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
RASCAL
16
曽良の視点による「おくのほそ道」同行記。二次創作的なものを予想していたが、史実にフィクションを織り交ぜた正統派歴史小説で、加賀で二人が別れるまでのおくのほそ道の日常を記している。我がままで気まぐれな芭蕉や、有名な句が詠まれたいきさつなど、微に入り際に穿った描写で、解説書としても適、原書も併せて再読した。2026/06/19
イシカミハサミ
15
俳諧の巨星、松尾芭蕉。 その代表作「おくのほそ道」 その旅の工程を弟子の曾良の視点から 追っていく物語。 関口尚さんといえば青春小説のイメージがあったので、 曾良の年齢が思っていたよりも高くて、 その点ではあまり関口さんの筆で この物語が語られる必要性は薄く感じられた。 ただ終わり方は曾良が語り手である意味もわかったし、 この旅の解釈のひとつとして、とても興味深い形になっていた。2025/06/08
そうたそ
11
★★★☆☆ 芭蕉の奥州への俳諧の旅に同行した曾良の視点で、俳句の生まれる瞬間を綴る道中記。芭蕉ものはこれまで様々なものがあったが、本書の新しいのは句の推敲に立ち会っているかのような楽しみ方ができること。どのようにして、後世まで語り継がれるような名句が生まれていったのか。数文字の違いでガラリと印象が変わる。その僅かな違いにこだわり続けた芭蕉の俳句への徹底した信念がよく読み取れる。もちろん道中記としても面白い内容で、ありそうでなかった全く新しい、芭蕉を扱った小説としてオススメの逸品。2026/01/29
coldsurgeon
9
奥の細道となる度俳諧集を作るべく東北地方に足を向ける松尾芭蕉の随行者曽良を主人公とする時代小説。芭蕉の衝動性と俳諧に向ける情熱が曽良を苦しめる。奥の細道における俳諧の味わいは、芭蕉の俳諧を完成させることにはなった。しかし曽良とは旅の終わり近くで別れることとなったが。その理由が丁寧に描かれる。わび、さび、そしてカロ三への移り変わりが理解できた。2025/06/28
Hanna
4
芭蕉にしてはくだけた題名。弟子である曾良から見た芭蕉の話。題名だけに、実はもっとファンキーなのかと思っていましたが。2025/10/03




