内容説明
「定説」と「新説」
どちらが勝った負けたではない。
没利害的な「真摯で健全な議論」が歴史学を前進させる!
13の史実の深層がばっちり理解できる!
・「権門体制論」と「東国国家論」
・「鎌倉幕府の成立年次」探る
・「承久の乱」をめぐる新説
・北条時宗は「救国」の英雄か
・鎌倉幕府を倒したのは、後醍醐天皇か
・「応仁の乱」の本質
・異なる「江戸幕府成立年」の定義
・「鎖国はなかった説」の盲点……など
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
14
明治以降、「科学」としての歴史学の確立から「定説」となっていったいくつかのテーマに対し、著者が異論を唱える形。特に、京都大学の黒田俊雄が提唱し、現在の日本史の見方の主流となっている権門体制論に対して終始批判的である(著者は東大)。権門体制論は朝廷に重きを置き、京都を中心に歴史を考察するものであるが、著者の師である石井進は「中世国家というものがそもそも存在したのか」という疑問を投げかけた。しかし、石井氏が議論を進めなかったことを著者は嘆く。一般書の体裁であるが、日本中世史の主な論点を追える。2026/03/15
jackbdc
12
歴史学は中立足りえないという総論と論争テーマを各論として紹介。歴史に限らず物事をどう解釈するかは視点により定まるものではないというのが前提。一方で学問として歴史を取扱う際(歴史学)には、文献等の解釈で妥当性を争えるので論争が成り立つ余地があるが、狭い世界で感情対立や政治的駆け引きで純粋な学問的解釈が歪められる事があり得るというのが本書の代表的な主張であった。印象に残った話は、個人名と立場(将軍等)のどちらが強いか?日本では前者というが、時代や場所を問わず実利(どっちが得か)に影響されるモノだと思った。2026/01/18
Ohe Hiroyuki
5
東京大学史料編纂所教授であり、たくさん書籍も書いている著者の一冊▼「幕府のできた年は?」「足利義満は天皇になろうとしていたのか」といった学者自身が議論していたことをテーマに、平易でコンパクトな内容で書かれていて読みやすく面白い。特段参考文献も挙げられていないし、気軽に読める本だといえる。▼本書を読んで改めて思ったことは、武士にとって所領安堵は重要でかつ本質的なものであった。誰から所領安堵してもらうのか、その所領をどのように守るかが本質的であったのであれば、中世の「分かりづらさ」を理解する鍵になりそうだ。2025/08/04
へいへい
4
テレビによく出るタレント学者。裏表紙にも「定説」を否定するようなことが書いてあるのだが、どちらかと言うと「定説を大事にしよう」という主張の方が強い。学者としてのスタンスも好感が持てる(上から目線すみません)冒頭の「権門体制と「東国国家論」」が本書全体に何となく通底する議論。まあ、いろんな説があるから歴史は面白いって事でひとつ。2026/03/09
kazzz
4
kindle unlimited2026/02/20
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