内容説明
《本書の一節より》/俺の名前はマルヲ。もちろん本名ではないのだが、小学校に入る前から、周りの人間は、俺を「マル」と呼んでいた。なんで皆がそんなふうに呼ぶのかわからなかったが、俺のまんまるのおでこが、このあだ名の始まりだったのかもしれない。(略)/とにかく俺は「おでこでっぱり、でんまーく」と囃し立てられていたのである。それがいつの間にか「デコマル」と言われるようになり、最終的に「マル」になった。フランス語で「悪」。だが、悪くない呼び名である(略)
目次
1960――東京の南
1960――負け犬たち
1960――反発と友情
1970――描かない絵描き
2010――帰還と再会
2022――偶然の旅行者
2022――結末
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
eulogist2001
3
★4.1 「駒井鉄雄が語ったこと」の章は圧巻です。それまでの描きっぷりとは異なり、なにかが乗り移っているような書きっぷり。感動した。2025/04/05
Hisashi Tokunaga
0
「おおた文学ってどう」平川氏の著作で感動ベストワンかも?もっとも氏の小説風の作品は多くない。氏の体験がそもそも小説風なのだろう。自叙伝とも思える作風。大田区の多摩川線蒲田よりの地域(千鳥町、武蔵新田、鵜の木エリアと多摩川土堤など)が行動エリア。戦前蒲田を小津安二郎の「生まれてはみたけれど」を踏査した記録は氏ならではの記述。兎にも角にも目蒲線と池上線の蒲田より地域の少年の一ページは貴重な地誌にもなっている。2025/05/16




