内容説明
西の国フォンティーヌのヴィオレッタは、以前助けてくれたヒュンナグ族のカルムにもう一度会ってお礼をするため和平使節団の一員としてその地を訪問する。世界最強と名高い騎馬民族の彼は、金髪の彼女とは異なる黒い髪黒い瞳の美しい青年だ。だが、次期族長のカルムとはなかなか接近するチャンスがないまま最後の夜、ようやくお礼の短剣を贈ることができたのだが――なんとヒュンナグの風習ではそれは婚姻を申し出る意味だった!? その日からカルムの態度は溺愛に激変！ 今さら間違いだなどと言い出せないヴィオレッタは困惑するも、彼の真っ直ぐな愛情表現に気持ちが揺れ動いていく。そして伝わらぬ想いと風習の違いに翻弄される二人の前に、謎めいた騎馬民族の青年シーシャが現れ……。言語と風習の壁を越え大草原で育む異民族溺愛物語！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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10
レビュー読み。題通りなのだが、ヒロインが取った短剣を贈るという行為が、自然の中で仲間や家族と生きるヒーローの部族にとってはとても重い意味を持つもので、それにより疎まれたり、賛辞されたり、決死の行動へ繋がったり…と様々な所で生きてくるのが上手い。特に終盤、ヒーローが瀕死状態にも関わらず、贈られた短剣を彼女に返そうとするシーンは彼の優しさと彼女への想いと男らしさに胸が震えたわ。言語も文化も民族も違う２人で、ヒーローは族長の息子でもありお互いが好きなら…だけでは済まない。誤解と当事者以外の思惑もあり始まりこそ2025/06/30
あきら
4
Web既読。Webですごく好きなお話だったので、書籍化してすぐに購入。言葉の通じない離れた場所で生まれ育ったふたりが、一目でお互いに恋に落ちるというのはよくある話。まあ、きっかけは異文化による誤解だったのですが、それがなかったら多分お互いに踏み出せてなかったと思う。ウンメイに出会ったら、何も考えずに追いかけないと結局はなんにもならずに終わる。自分でつかみとらなきゃね。カルムもヴィオレッタも苦しい思いをして自分で幸せをつかみとったひとたち。だから運命の恋人同士なんだね。素晴らしいラブストーリーでした。2025/05/31
