内容説明
現実の事件に着想を得た、殺人鬼に挑む女たちのサスペンス
一九七四年、フロリダ州立大学女子寮で二人の学生が殺害された。犯人を目撃したパメラにティナという女性が近づいてくる。ティナは友人が失踪した事件と同一犯ではと疑い、ワシントン州からやってきたのだ。三十人以上の女性が殺害された実際の事件を元に、女性の視点で社会の歪みを描いたサスペンス・ミステリの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
41
実在のシリアルキラーをモチーフにした小説というと、今まで読んできた作品は確かに犯人像を再現しようとするものばかりであり、被害者やその友人・家族の存在感は稀薄であった。この作品は逆に犯人の”キャラクター”を極限まで薄め、人生を狂わされた犠牲者とその友人の戦いや苦悩に焦点を当てている。女性たちが生きている社会を考えると「誰に殺されたのか?」との問いは簡単なようでいて、容易に答えを出せるものではないことに気づかざるを得ない。単なるミステリやスリラーというジャンルに分類するにはあまりにも複雑で重い。鮮烈な一作。2025/06/09
練りようかん
15
1978年フロリダで起こった死傷事件の目撃者が主人公。犯人はシリアルキラーの可能性が高く、主人公が彼を見たなら彼も主人公を見たのではと怖くなった。しかし物語のポイントはシリアルキラーという像の語り直しで、長きに渡り植え付けられた先入観は同じ男という身内を庇う意識が働いた産物だと暴くこと。実際の事件をベースにしており、特に印象的なのは「3階から逃亡」は“タバコ休憩中に2階から逃げられた”が正しく、この事件が映像化されたら外見の良い俳優が演じるだろうが実際は平凡なインセルという点。罪の所在に見え方が変わる。2025/11/17
KUMYAM@ミステリーとSF推し
7
中心となる事件が起きた当時の目撃者パメラと現在のパメラ、それより少し前の事件の被害者ルースの3つの視点からかたられるが、事件当時のパートに現在のパメラの述懐が混じるのが紛らわしくて読みにくい。70年代アメリカで女性たちがどのように扱われていたか、著者の苛立ちや憤りは伝わるが、私には小説としての面白味が足りないかな? 実際の事件をノンフィクションとして読むほうがよかったかも。2025/09/27
bookman
2
お薦め度 ★★★2025/11/17
とし
2
有名なテッド・バンディー事件を被害者目線から捉えるタイプの小説だが、主眼は犯人ではなく被害者たちの心理面となっている点は面白かった。 ただ必然的に心理描写が多くなるのは仕方がないとはいえ、移動時の数十行から始まりどの会話でも口を開く前に数行、後にも数行、更にその返答が来た後にも数十行と続くお気持ち表明文にはウンザリさせられたと同時に小説としてのまとまりの無さを感じた。 結果的にこの文章へのいら立ちが先立ってしまい、最後まで感情が載せきれなかった。2025/10/23
-
- 電子書籍
- 推し着物 ストーリアダッシュ連載版 第…
-
- 電子書籍
- ザ・ウルトラマン 1 てんとう虫コミッ…
-
- 電子書籍
- 何もないけど空は青い(2) 少年サンデ…
-
- 電子書籍
- 授業科学研究 〈第6巻〉 かがみと光.…
-
- 電子書籍
- 漱石が聴いたベートーヴェン 音楽に魅せ…




