内容説明
2025年には、人口のボリュームゾーンである団塊の世代が全員後期高齢者となり、高齢者の5人に1人が認知症になると言われているにもかかわらず、2026年には介護職員が約26万人不足するとの推計結果を厚生労働省が公表した。では、彼らの面倒は一体誰が見るのか? 記憶のメモリーが1分も保たず、感情のコントロールが利かなくなり、理解力や判断力も低下。足腰は弱り、自立生活が困難になっている高齢者の面倒を10年20年とみつづけなければならない家族の心身および経済的負担を考えたら、子ども世代、孫世代までも巻き込み家族全員が共倒れになりかねない。前作『寿命が尽きるか、金が尽きるか、それが問題だ』では、やっとの思いで介護施設に入所させたはいいが、想定外の事件が次々に勃発し、著者はストレスによる顔面神経痛や耳鳴りに悩まされる毎日。両親と子どものいない叔母夫婦の、4人まとめての介護はその後どうなったのか。前作同様きれいごと一切なし、介護の実態を赤裸々に綴る。いま、まさに介護に苦労している人々の心の叫びを代弁し、「早くお迎えが来て下さい」と祈ってしまうのはあなただけじゃない、あなたは悪くない、と介護者の気持ちを軽くしてくれるエッセイ。「大介護時代」必読の1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayuri
38
仏壇に向かい、亡き祖父母に「早く、あなたたちの娘を迎えにきてよ」と祈り、「いっそ、明日にでも逝ってくれたら」としばしば思う。自分の両親と子どものいない叔母夫婦の4人を介護されるこかじさんの嘘偽りない本音だ。前作の『寿命が尽きるか、金が尽きるか、それが問題だ』から、こかじさんの心身を削る介護地獄を読んで来ただけに薄情などと一切思わない。このエッセイを面白いというと語弊があるが、凄く面白い上に、身の振り方を考えさせてくれる。今、介護されている方も、未経験の方も読んで損はない。介護のリアルを赤裸々に描いた良作。2025/06/27
しのさー
17
読みやすく両親と叔父叔母の介護をする問題やストレスが突き刺さってくる 両親を見ていると自分も高齢になれば似たようなことをするのかなと落ち込むことがある ストレスとプレッシャーは、ずっとついて回るし、あの時ああすればよかったとか後悔ばっかり… 色々ぐるぐる考えながら読了 読めてよかった2025/07/27
ごろごろ
4
認知症の実母を介護中なので、タイトルに惹かれて。 両親と叔父叔母の4人を同時に介護、しかもみな癖が強い。 作者が書き残して置かなければと言う気になるのも納得です。 この本を読むと介護中の人、これから始まるであろう人も心が軽くなり、日々の介護に同士がいるんだという安心感で挑める気がするので、おすすめしたいです。2025/07/27
ハナさん*
1
2025年5月24日第1刷。市図。タイトルに共感して。著者の介護体験を記したエッセイ。タイトルの言葉は、ケアマネが言っていたものだという。ひたすらに個人的な体験と、その時々の素直な思いを赤裸々に記している。著者の母や叔母は、何か診断名がつくかもと思えるくらいクセのある、困った性格だ。父と叔父は見送ったが、母と叔母は存命の段階で、本書の書き下ろしをした理由は不明。全て済んでからの方が、まとまったと思うのだが。著者が「もう無理かも」と思い、母親と決別したことで、一応の区切りはついているから、これでよいのかも。2025/08/15
Akiko Nakano
0
この後があるのでしょうか?生きるのを辞める事ができないのと同じように、親子の関係を辞める事もできません。一旦気持ちが落ち着いた後、解決の道が見つかると良いと私は思います。タイトルの発言をした人と同じ仕事の私は思います。2025/08/18
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