内容説明
1946年、ベイルート。長男ジャンが犯した殺人を追う次男フランソワ。不審死を遂げた三男エティエンヌ。長女のエレーヌにも秘密が……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
空猫
30
ルメートルの新刊!…1948年レバノン、フランス、ベトナム…と言った戦争が色濃く残り、いつまた勃発するかもと言う混沌とした地域での、石鹸会社社長ペルティエ一家の群像劇。長男とその妻、次男はパリに三男は恋人を追ってサイゴンへ、家を出たい末っ子娘は…登場人物が多すぎて一覧表を見ながら、でもあいも変わらず容赦のない心理描写に引き込まれた。ペルティエ夫妻は、まぁともかく、4人の子どもたちのこの先は…どう考えてもハッピーエンドにはなりそうにない。どうやってうまく収めるのか?!下巻へ!2025/07/28
すとろんぐ (旧よもぎだ)
16
冒頭からだいぶ荒ぶる展開。家族全員の人生がそれぞれ別れていきそれぞれが波乱に塗れていく。その中でもジャンとその妻は完全にネジが外れており、逆に滑稽。心配を通り越してどこまで人間から外れていくのか下巻が楽しみとも言えます。エレーヌの家出でパパの活躍も観れて何だかほっこり。ルメートル氏の筆がどこまで彼らを過酷な道に陥れるのか不安になりながら、下巻へ進みます。面白い。2025/06/17
ロア
14
ルメートルらしく盛り上がってきました!ベルティエ家の面々にどんな運命が待ち受けているのか……期待しながら下巻へ(*´ω`*)2025/06/28
nao.
7
1948年、ベイルートで石鹼工場を営むペルティエ家。4人の子ども達はそれぞれにパリ、サイゴンへと独立していくが。戦争の余韻が残る中、個性的な4人きょうだいの今後が気になる。猟奇ミステリー要素もありルメートルファンには嬉しいところ。下巻へ。2025/10/08
トミレン
5
ルメートルさんならば読まねばなるまいと読み始める。そもそもレバノンがどこにあるのか知らない、フランスの植民地だったことも知らない、ベトナムも同様、サイゴンが今のホーチミンだってことも知らないという状態だったので、作中背景を把握するのが大変かつ楽しい。対して人物描写は相変わらず傑出していて、外国人の私にもありありと、人としての説得力を持って目の前にいるように読める。動きや臭いまで感じられるような表現力には本当に驚嘆する。事件は様々起こっているがどう収束してゆくのか。ペルティエ家の行く末に興味津々である。2025/11/01




