内容説明
片付けコンサル会社で働く鷲澤憂(わしざわうい)は、何かを選ぶのが苦手な性格でいつも周りに合わせてばかり。自分とは対照的にサバサバと物事を判断し、“無駄なく、効率よく生きる”ことを信条とする上司の奈々さんに心酔している。心酔するあまりに服装も髪型も何もかも奈々さんの真似をし、恋人と同棲中の部屋の家具を次々に捨て、ついには恋人自体も捨てることで“効率のいい部屋”を手に入れた憂だったが、ひょんなことから泥酔して帰宅した翌朝、目覚めると部屋に見知らぬ青年がおり仰天する。すずりという名の青年は「おれを片付けてよ」と憂に依頼し、その日から二人の奇妙な同居生活が始まるが、すずりにはとある隠された過去があり…。「自分らしさ」が何なのか分からないまま、生きづらさを抱える男女。友情でも恋愛でもない関係性。奇妙な同棲生活を瑞々しい筆致で描く、2024年集英社ノベル大賞〈準大賞〉受賞作!
目次
序章
一章
二章
三章
四章
五章
六章
終章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
片付けコンサル会社で働く鷲澤憂。何かを選ぶのが苦手な性格でいつも周りに合わせてばかりの彼女が、泥酔して帰宅した翌朝、目覚めると部屋で見知らぬ青年すずりと遭遇する物語。無駄なく効率よく生きることを信条とする上司の奈々に心酔している憂。恋人と同棲中の部屋の家具を次々に捨て、ついには恋人自体も捨てた彼女が始めた、思いの外快適だったすずりとの気を使わないで済む同棲生活。けれどすずりにも隠されていた事情があって、それに憂もまた巻き込まれていく展開から、自分の本当に大切なものを見出していく結末はなかなか良かったです。2025/05/19
ɴʏᴀɴ
14
☆2 / いつも周囲に合わせてしまい、自分で何かを決めるのが苦手な主人公。そんな彼女が、無駄がなくサバサバと効率よく生きる上司に憧れ、次第に服装も髪型も話し方も、何もかもを真似していく。誰かに憧れて「こんなふうになりたい」と思う気持ちはきっと誰にでもある。でもただ真似るだけではなく、その過程の中で自分自身を見つけていくことが大切。決してつまらないわけではないけれど、強く心に残るほどではなく、さらっと読める一冊という感じだった。2026/03/12
イシカミハサミ
14
モノがあふれている時代は、 選択にあふれている時代だ。 食べるもの。 身に着けるもの。 休みの日の過ごし方。 選ぶことを楽しいと感じるか。 選ぶことを苦しいと感じるか。 24種のジャムより6種類だけのジャムの方が10倍売れやすい。 多すぎる選択肢は、時に人の思考を停止させる。 自己啓発本がよく売れる世の中に贈る。 生きづらさからの解放の物語。2026/01/15
栗山いなり
9
片付けコンサル会社で働く憂と彼女の家に住む事になった青年の物語。いわゆる?自分探し系の青春物語だけど「効率」がスパイスになってた印象。俺あんまり片付けられない人間だからか知らんが憂の上司の考え方には複雑な感情を抱いた(ちょっと怖かったし)2025/06/08
椎名
7
無駄なく効率よく、何にも執着せず、そう生きるのは実際楽だしある種達観してるとも言える。時間もお金も場所も全ては有限だ。だからこそ選べずに悩んでいる、ものがありすぎて片付けられない、それらの無駄をなくすために捨てるという行為はわかりやすく手っ取り早い。自分の理想とする人間の名前を騙り知らない集団に溶け込み酒を飲む二人の姿は奇妙だが自由で、いくらでも形を変えられるという証明のようでいてどこにも片付かない存在の象徴のようでもあってなんだか面白かった。2025/05/29
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