岩波少年文庫<br> 火明かり ゲド戦記別冊

個数:1
紙書籍版価格
¥990
  • 電子書籍
  • Reader

岩波少年文庫
火明かり ゲド戦記別冊

  • ISBN:9784001146325

ファイル: /

内容説明

まどろみながら彼は,はてみ丸のことを考えていた.あの小さな舟で旅した日々を――.作家の没後に公表された〈ゲド戦記〉最後のエピソード「火明かり」.ほか,未邦訳短編「オドレンの娘」,『夜の言葉』よりエッセイ3編,講演「「ゲド戦記」を“生きなおす”」などを収めた,日本語版オリジナル編集による別冊.解説=中島京子

目次

序 文――“The Books of Earthsea”に寄せて……………井上 里 訳
オドレンの娘……………井上 里 訳
火明かり……………井上 里 訳
アメリカ人はなぜ竜がこわいか……………室住信子 訳
夢は自らを語る……………山田和子 訳
子どもと影と……………青木由紀子 訳
「ゲド戦記」を“生きなおす”……………清水真砂子 訳
解説 ル=グウィンの幸福な「発見」を読む
幸福な読者として……………中島京子
書誌・日本語版刊行情報

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

67
【初めにしたのは、地図を描くこと】著者没後に公表された、ゲド戦記最後のエピソード「火明かり」ほか、未邦訳短編やエッセイ・講演等を収めた、日本語版オリジナル編集の別冊。「火明かり」では、<最後にはとうとう足が萎え、力も尽きた。ゲドは若い王に背負われ、年老いた龍に運ばれた。なすすべもないまま、別の生へと運ばれた。すぐそばで静かに忠実に控えていたもう一つの生へ。その生は影と言うべきだろうか、現実と呼ぶべきだろうか。力と強さを失いはしたが、新しい生ではテナーとテハヌーを得た。最愛の女性と最愛の子。龍の子>と――⇒2025/08/24

shikashika555

38
大魔法使い、賢者、英雄だった男の人生の終わりの物語。 老いて1日の大半をベッドでうとうとと寝て過ごし、起き上がるのも億劫で、食事はスープをひと匙ふた匙と口に運ぶ。 魔法の力を失い、かわりに男としての性を取り戻し、そばに愛した女性がいれば人生上出来ではないか。 よろこびに満ちて「解き放たれ」た老爺。 大往生である。2025/07/25

Die-Go

34
『EarthSea』世界の最後を締めくくる短編と作者のエッセイ、講演。表題作は、ゲドの最期に向かっている姿を描写しているが、悲しさよりも幸福感を感じさせる。海こそがこの世界の全てを包括するものなのだと改めて思わされた。★★★★★2025/06/21

とも

29
最近読み終えたゲド戦記に続きが出て驚いた。落ち穂的な短編とエッセイ集、これが本当に最後のようだ。「火明かり」ではゲドの最期の一時が描かれる、数年前に亡くなったル・グウィン自身と重ねて読んだ。 エッセイは拾い読み。「自分がいずれは死ぬことを認識したときこそ、幼年期の終わりであり新しい人生が始まるとき」が印象に残った。2025/08/19

ひろみ

22
6巻に及ぶゲド戦記の最終譚と、ル=グウィンさんのいくつかのエッセイで構成されています。この5月に刊行されたばかり。とても面白かったです! 彼女はまず地図を書き、キャラクターが動くのを待つことでこのお話を創ったとのこと。彼女も「知る」のだそうです。 そして、ファンタジーの果たす役割について。米英の違い。彼女の話には「指輪物語」がよく出てきますが、「ハリー・ポッター」と並んでイギリスのものです。ファンタジーは大人のものでもある。 「ゲド戦記」を入れ込んで読んだのはコロナの頃でした。もう一度読み直したいなぁ。2025/07/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22556499
  • ご注意事項

最近チェックした商品