ハルキ文庫<br> なりすまし

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ハルキ文庫
なりすまし

  • 著者名:越尾圭【著者】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 角川春樹事務所(2025/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784758446921

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内容説明

ある朝、夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて出勤すると、妻エリカが店内で惨殺されていた。その捜査の過程で、エリカが戸籍を偽っていたことを告げられる。妻はいったい何者で、誰が殺したのか? 激しく動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。焦燥する和泉を嘲笑うかのように、娘の杏奈も殺されてしまう。いったい彼の周囲で何が起きているのか……? 戸籍売買、無戸籍児、そして「なりすまし」──暗部を描き切った社会派小説の傑作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろこ

111
重さと面白さがドンの一冊。タイトルが物語るように戸籍売買がテーマの社会派ミステリ。惨殺された妻は一体何者なのか…妻の戸籍偽りを知った夫もまた…という、なりすまし夫婦の設定に一気に面白さがドン!と。妻を殺害した犯人は誰なのか、さらに娘まで殺害され次々に危険と不可解さは積もりまくり、真相に迫る面白さもドンドン加速。無戸籍児といい、戸籍を欲する人もいれば簡単に手放す人もいる、その皮肉さが重くドンとくる。人の安易な企てこそが社会の裏側の恐怖だ。最後まで思いもよらぬ展開なのも良かった。読後は自分の証が愛おしくなる。2025/08/09

yukaring

67
戸籍売買やなりすましをテーマにした社会派ミステリ。こんなに簡単に戸籍が売り買いされているのかと思うとゾッとする。夫婦でブックカフェを営む和泉が娘を連れて出勤すると妻のエリカが惨殺されていた…。警察の調べで妻は戸籍を偽っていたことが判明。妻は一体誰だったのか?そして実は和泉自身も犯罪者の兄への復讐を目論む暴力団から逃れるため、戸籍を取得し別人になりすましていたのだ。偽りだらけの自分たち夫婦の真実に翻弄される中、幼い娘までも殺されてしまう。一体何が起きているのか?社会の暗部にどっぷり問題提起を投げ掛ける物語。2025/07/23

akiᵕ̈

23
自分たちが営業しているカフェで妻の死体を発見してしまう冒頭から、終始スリリングな展開に読む手が止まらない。しかも妻は戸籍を偽り別人だった事、そして自分も同様の"なりすまし"である事から次々と分かる真実が、戸籍売買や無戸籍児と複雑に絡んでいて、途中少し混乱しつつもその行方が気になる。戸籍を変えてまで現状から抜け出し生活している人達って案外身近にいたりするのかもと、そんな思いすら湧いてくる。犯人は分かりやすかったけど、この用意周到な悪知恵を他の事に使えないものかと思いつつも、まさに社会の暗部を炙り出している。2025/05/15

よっち

22
ある朝、夫婦でブックカフェを経営する和泉浩次郎は妻エリカが店内で惨殺されているのを発見し、そこから思わぬ事態に繋がっていく社会派小説。その捜査の過程で妻が戸籍を偽っていたことが判明して激しく動揺する和泉。そんな彼を嘲笑うかのように娘の杏奈もまた殺されてしまう展開で、悲劇に打ちのめされながらも、実は彼自身も戸籍を偽るなりすましであるがゆえに警察にも知られないよう、真相を見つけるために奔走する主人公を待ち受ける運命はあまりにも壮絶でしたけど、テンポよく進むストーリーの先に待っていた結末には納得感がありました。2025/07/04

じーつー

7
妻が殺されたことをきっかけに妻が存在しない人間であったことを知る。 別人の戸籍を使っていた妻。 そしてその旦那も戸籍を買っているなりすましだった。 なりすましが集まりに集まって、こんなに集まるかと思う節はあったけど。 なかなか面白かった。2025/06/29

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