内容説明
下谷稲荷町に住む辻六は自身番の家主。番人の元力士・朝松、元博徒・陣五郎らと日々雑事をこなしている。ある日、町内の履物問屋・幕張屋へ柏木部屋の力士が怒鳴り込むという騒動が起こる。ただごとではないと心配する辻六が幕張屋の若旦那に話を聞くと、どうやら幕張屋の女中と、将来を嘱望されながら謎の死を遂げた柏木部屋の元力士との間に揉め事があったというのだが……。自身番を舞台に色とりどりの人間模様を描き出す、人情あふれる時代小説新シリーズ第一弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
115
小杉作家の新しいシリーズということで・・舞台は「自身番」その家主・辻六45歳。常番の番人・朝松は元力士。月番の番人・陣五郎と文治。町内の揉め事の顛末4話。各話最後がほんの少しだけ、奥歯に物が挟まったような印象を受ける。それが案外と良い(良いのかい)全部が全部、勧善懲悪スッキリと座りの良い結末ばかりではないのが人の世なのだ。人の心は表裏、清濁いろいろあるよね。いや、話はちゃんと解決してるのでご心配なく(笑)2025/05/29
あき
2
これは今ひとつピンとこなかった。主人公含めキャラクターが自分の中に落とし込めないというか、人物像が見えてこない。キャラクターの行動原理が一貫してなくて、こういう性格のキャラクターだからこういう行動をするというより、話の展開にあわせた筋書き通りの役をその時々で演じてる、みたいな印象を受けた。ちょっと次はないかなー。2025/06/19
goodchoice
1
自身番の大家が主人公という一風変わった一作だが、江戸の町屋の雰囲気が上手に描かれていて、非常に興味深い。まだこれから続きそうなので楽しみだ。2025/07/26