内容説明
彼ほど嫌いな上司は、いや、人間はいなかった――。
1990~2000年代、時代を狂喜させた伝説の“鬼畜系”サブカル雑誌。
その創刊編集長のちっぽけな栄光と、ろくでもない死に迫る愛憎ノンフィクション。
関係者取材40人以上、延べ100時間以上のインタビューを経てたどり着いた
モンスターの真実。
「モラハラの権化」「サディストの化身」「セクハラ鬼畜」。
「強欲の炎」そのものだった男はコアマガジンで英華を極めたが、
遂には自らの炎に燃やし尽くされ、ひっそりと孤独死を迎えた。
彼の人生はいったい何だったのか。
魑魅魍魎の人間ドラマ。
目次
第一章 高田馬場のビニ本屋
第二章 「うちの妻を輪姦(まわ)して下さい」
第三章 『BUBKA』創刊
第四章 トップ・オブ・ザ・ワールド
第五章 長い発狂
第六章 宴のあと
第七章 聖地巡礼
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
141
樋口 毅宏は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。「BUBKA」や白夜書房は知っていましたが、寺島 知裕という編集者を本書で初めて知りました。発達障害で人格破綻者、背の低さに極端にコンプレックスを持っている人間(ex.ヒトラー)は、凄まじい能力を発揮するのかも知れません(笑) https://seidansha-publico.themedia.jp/posts/56631598 【読メエロ部】2025/06/26
ばんだねいっぺい
20
もっと下衆な挿話があったんじゃないか。対象への憎悪やコンプライアンスが紙幅を減らした気がならない。愛読誌の裏側では、刑事事件があり、馘首あり、現在の水曜日の先駆的な試みがあった。あの頃の雑誌には、立ち読みさせたり、購読させたりするパワーたしかにがあった。2025/08/02
makimakimasa
13
友人の友人が飲みの席で面白いからと譲ってくれた本。『BUBKA』は確か高校時代の男子寮で見た事あるが最低の下衆雑誌。まさか『タモリ論』の著者がその編集者だったとは。女優の盗撮ヌード載せて裁判で負けて1千万払っても儲けは5千万とかほんと最悪。「商品の発送をもって発表に代えさせて頂く」読者アンケートのプレゼントも受け取った人はいないと。皇居のお堀の鯉のあら煮とかまだ笑えるけど、ペコちゃん盗むのは良くない。校閲部は存在せず回し読みで済ませるとは…。今は死んだ、当時の熱気ある雑誌文化の裏側が興味深かった。2025/06/10
nobu23
8
死をきっかけとして、コアマガジン社でBUBKAを創刊した男を関係者のインタビューをもとに、その実態に迫ったノンフィクション。ゲスで人間として最悪なエピソードの宝庫であるが、当時のめちゃくちゃでなんでもありなコアマガジン社の内情も描いてあって面白かった。2025/07/01
ふじこ
6
煙草と体臭が入り混じった饐えたような匂いが行間から立ち上る。雑誌全盛期、狂っている人間にしか作れないものがあった。誰かを傷つけ、傷つけられながらしか生きることができなかった。軋む音を聞かないようにして走り続けて、いろんなものを失っていった。私の平成という時代の認識がいかにひとつの側面に過ぎなかったかを見せつけられる。不器用な男たちの生き様に時代の残滓を見て、少しだけ羨ましくなる。〈本当に嫌いな人については書きません〉樋口さんから寺島さんへの精いっぱいの愛の言葉だと思った。2025/06/14
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