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内容説明
個人消費は停滞しているのに物価上昇の勢いが止まらず、実質賃金は下がり続けている。一方で金利は上昇基調にある。この“歪んだインフレ”は、なぜ日本だけで起きているのか。今後スタグフレーションは起きるのか。人気エコノミストが分析する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
36
「新型インフレ」とは、名目の物価や賃金が上がるが実質賃金が上がらないため、消費が増えず日本経済の停滞が続く今の状況をいう。コストプッシュ型のインフレに対する財政、金融当局の対応の誤り。将来不安に対応する家計や内部留保を手厚くする企業の行動の問題。それに影響を与えた長期デフレの心理的な要因が論じられ、その上でデフレマインドを克服するため高圧経済が提案される。「高圧経済」とは、構造改革論とは反対に景気を過熱気味にしておくと、経済的な弱者に恩恵がいくことで経済全体の生産性が向上し、供給力が高まることでコストプッ2025/07/11
まゆまゆ
15
長く続いたデフレから脱却してインフレに転じた日本経済だが、物価上昇に対して賃金上昇が追いつかず、個人消費も増えていない。今のインフレは輸入品の価格上昇などコストプッシュ型のインフレであり、需要拡大に伴うディマンドプル型のインフレではない。にもかかわらず日銀が金利を上げたせいで、ますます消費は増えていかない。デフレ時に染み付いた消費先送りマインドというトラウマを何とかしなければ…2025/06/25
ossan12345
12
うーん、なんだろうな、全然頭に入って来なかった。ひとつひとつの論点をほとんど掘り下げず、トピックばかりどんどん出てくるので、浅薄になっている印象。河野龍太郎氏の「日本経済の死角」はそんなこと感じず読み応えがあったので、それとの対比で言えばちょっと残念ではあった。詰め込み過ぎでは。2025/07/10
パット長月
11
基本的に、先日読んだ「日本経済の死角」と同じ方向での分析である。労働分配率の低迷や過度の労働規制への警鐘などは「死角」のほうが詳細に展開されているが、こちらが大きく異なるのは、現在の日本経済の状況に与えてる心理的影響、長期にわたるデフレの結果、国民の心に深く浸透したデフレマインド、トラウマに言及していることである。その元凶のひとつとして、マスメディア、SNSも取り上げている。そうなのである。今の米価高騰でもしかり、日々マスメディア、SNS上で叫ばれている悲鳴はどこまで本物なのか。本当に弱者の叫びなのか?2025/07/03
Melody_Nelson
5
筆者は消費税減税を推し、国の借金も気にしなくて良いという立場。その説明は読んでいてなるほどと思ったけれど、それでも日本国債の人気がなくなっていく中、為替のこともあるし、そう簡単にいくのかなと疑問。結局、一番の問題はデフレ・マインドかもしれない。けれど、将来への心配をせずに購買意欲を刺激する政策は、特に日本では難しいだろうな…。自分が将来、どんな病気になるか、何歳までどんな状態で生きるのか、その辺の不確実性が中年以上の消費を抑制させている気がする。2025/07/27