関係のないこと

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

関係のないこと

  • 著者名:上田岳弘【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 新潮社(2025/06発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103367369

ファイル: /

内容説明

「弁護士に重要なのは切断の感覚や」先輩弁護士の口ぐせ通りに仕事してきた僕。自分と関係のないことには立ち入らず、世間と折り合いをつけてきたつもりだった。だが、見ないようにしてきた「壁」が周りに現れ……。コロナ禍を経て空虚さと軽薄さがますます溢れる都市生活の奥にほの見える、心動かされる一瞬を描く作品集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アーちゃん

42
「片翅の蝶」「下品な男」「関係のないこと」「扉」(以上初出「新潮」)に書下ろしの「おそらくは、たぶん」を加えた5編の短編集。160ページと少ない総ページ数の割に読了までの時間がかかるのは上田岳弘さんの作品ならではかも。表題作の”彼”が最初わからず、前に戻って小谷だと分かったり、結婚するだろう男の言葉で甦る記憶の「扉」など、装飾過多だったり凝った文章というわけでもないのに、1回の読みではすまないところ、後からじわじわくる読後感が良い。好みは表題作と「片翅の蝶」。2025/07/29

Tαkαo Sαito

22
上田岳弘さんの新刊とか出てねぇかなーとふらっと本屋寄ったら出てたので即買い、即読み。「扉」だけ文芸誌で読んでたけど、改めて読んでも良かった。上田さんがよく描く「塔」とホストへのシャンパンタワーの対比の使い方、好き。他の話もスルスル読めて、それでも余韻、余白が心地よく散りばめられていて好きな短編集でした2025/06/29

練りようかん

12
五編収録。離婚した兄の子に観察日記を送ることになった「片翅の蝶」。大人の今もそして今までもさして関係のなかった青虫とこんなにじっくり付き合うとは。義理のきょうだいともう関わることはないと思ってたくだりでは、恋人のきょうだいもだよと思い、幸福は似ての名言を品に置き換えた言い回しに膝を打ち、“ああ”に濁点をつけたいわかるが各編あった。関係ないとあるはいとも簡単にひっくり返るのだと思える通奏低音が良い。表題作は特に本質のとらえどころが納得で面白かった。『旅のない』、本作ときて〜ないの第3弾はあるのか、楽しみだ。2025/08/09

Kooheysan

4
上田さんの作品は初。最初の「片翅の蝶」では正直少し戸惑いましたが、それ以後の4作品は大変興味深く読めました。顔を合わせているのに、その人と関係のある世界は未知なもの。それは楽なことなのか、悲しいことなのか…。今の周りの人々との偶然からなる関係で自分は形作られているような気がするけれど、たまに別の世界に身を置いてみると自分はどうなるのか…自分と世界(あるいは社会)との関係構築についていろいろ考えさせれました。なんか、不思議な読後感です。2025/08/03

ゆり

4
図書館本。上田さんの小説は私には難しい。今作も理解できないところが多かったです。(個人的には小川洋子さんのような感じ)唯一『扉』だけは面白く感じました2025/07/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22664317
  • ご注意事項

最近チェックした商品