講談社文庫<br> 現代生活独習ノート

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講談社文庫
現代生活独習ノート

  • 著者名:津村記久子【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2025/05発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784065395523

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内容説明

「リフレッシュ休暇をもらったが、もはや私にはリフレッシュする気力自体が残っていなかったのだった。」

入社希望の学生のSNSチェックに疲れ果てた会社員。代々続く母と娘の台所戦争。遅れても許せてしまうことが美点のロバによる配送サービス……。膨大な情報の摂取と判断に疲れてしまった現代人の生活に寄り添うやさしさと、明日を生きるための元気をくれるユーモア満載! 味気ない日々をゆるゆると肯定し、現代人の張りつめた心をゆるめる短編集。

「もう何もしたくないという切実な本音に寄り添ってくれる稀有な小説」――金原ひとみ

本屋大賞2位『水車小屋のネネ』、Xで何度もバズった芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』など、
書店&SNSで話題を集める著者による、「脱力系」日常譚の真骨頂!

目次

レコーダー定置網漁
台所の停戦
現代生活手帖
牢名主
粗食インスタグラム
フェリシティの面接
メダカと猫と密室
イン・ザ・シティ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

139
8話の短編集。力が入りすぎず、かと言ってフワフワ過ぎる訳でもない。そう、程よく落ち着いて楽しめた読書時間だった。ダントツで好きなのは『粗食インスタグラム』全て納得とは言わないが、うんうん、わかるよ~って感じ。一番理解できるのは課長になのだが(つまり私は食べ物の誘惑に負けるタイプ・・笑)『台所の停戦』や『イン・ザ・シティ』も印象に残った。ここにある「日常」そこから物語を膨らませる作家がいて、それを読んでひと時「現実からちょとだけ休む」私がいた。2025/08/07

エドワード

56
混迷の現代を生きる術は誰も教えてくれない。独習あるのみ。神視点で人々を見守る短編集だ。「台所の停戦」冷蔵庫をめぐる家族の冷戦あるある。「粗食インスタグラム」SNSのために生きているような逆転現象ってあるね。会社の指示系統の面倒くささ「メダカと猫と密室」。中学生の素敵な想像力「イン・ザ・シティ」も楽しい。京都市でも「現代生活手帖」のような冊子がもらえるが、ここではタウンページのようで、いらんお世話なサービス満点で可笑しい。津村さんの描写は微に入り細を穿ち、ますます生活が面倒くさく感じられたよ(笑)。2025/10/29

niisun

43
津村記久子さんは、一つ前に読んだ『水車小屋のネネ』がとても良かったですが、こちらの方が津村さんらしさが出ている感じがしますね。表題作『現代生活手帖』を含む前半の3編では、なかなか乗り切れなかったのですが、4編目の『牢名主』あたりから面白くなってきて、どんどん読み進みました。特に、津村さんお得意の職場小説とも言える『粗食インスタグラム』と『メダカと猫と密室』は、さすがの面白さでした。やはり、太宰、芥川、川端、織田、谷崎などの文学賞を受賞してきた作家さんだけあって、文章や構成はお見事ですね。2025/08/23

Shun

34
疲れた現代人の為のちょっぴり癒される短編集。登場する人たちは日々のSNSチェックに嫌気がさした人だとか、コンプライアンス遵守だとかで気が張り詰めてしまい鬱に陥りかけの社会人ばかりというダウナー系お仕事小説とも読める。癒されるかどうかはさておき稀有な1冊と言えそうだ。まず一話目の一行目に当てはまった人は読む資格アリだろう。「リフレッシュ休暇をもらったが、もはや私にはリフレッシュする気力自体が残っていなかったのだ。」こうなってしまったらたっぷりと睡眠を取るかデジタルデトックスを、もしくは本書を読むでもいい。2025/06/29

あゆみらい

27
津村記久子さんの短編集。日常の小さな違和感やこだわり、妄想と人間関係を津村ワールドで。「牢名主」アドリアナスミス=A群振り回す方、とバーブラウィリアムズ=B群振り回されるほうの話が、架空だけれどもいかにもありそうで、おかしかった。ケスクさんは本当にB群なのか。小穴さんとケスクさんのA群は共通なのか。これ長編になっても永遠に読める。「現代生活手帖」の水道からみかんジュースの通販が気になります。独特な視点が癖になります。2025/08/12

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