内容説明
新潮社旧倉庫で、27年ぶりに“発見”された原稿。それはTV『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『宇宙戦艦ヤマト』を生んだベテラン・アニメーション作家による、幻の小説だった! 若き天才絵師・歌麿と、彼を育てた蔦屋重三郎、そして仲間たち。さらに彼にまつわる闇の魔物と謎の女うずみ……。妖艶怪奇、奇想天外、時代小説の枠を超えて爆走する前代未聞のエンタテインメント、感動の開幕!(解説・森重良太)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みほ
1
トーハクの蔦屋重三郎展で観てすごく魅かれた歌麿の「歌まくら」。それが元絵のこの表紙、大河ドラマ「べらぼう」にあわせて書かれた小説かと思ったら30年近く前に書かれたものが発掘されたものとのこと。ちょうど春画展を観に行ったところだったので(大河ドラマも観ているし)ちょうどいいタイミングで読めました。「歴史小説でも伝記小説でもありません。あくまで娯楽作品です」とあって、確かに荒唐無稽、奇想天外ではありますが江戸絵画やこのころの政治情勢をしっかり調べて書かれたんだろうと。タイトルにひかずに手に取って!と薦めたい。2025/07/30
Ryo0809
1
これは面白い。単なるエンタメを越えた江戸絵画がたくさん詰まっている。徳川十代から十一代にかけての江戸の姿が活写されているようだ。田沼意次の失敗した大改革や、その反動ともいえる松平定信の倹約財政。江戸の住所や武士の世界など、教科書では決して得られない知識が豊富に込められている。筆者の江戸絵画への知識も相当なものと思われるが、それだけではない奇想天外な出来事が興味深い。絵師たちの矜持もすがすがしい思いがする。この作品を発掘し、出版した新潮社に感謝したい。2025/07/07
ひでまろ
1
★★★★2025/06/17