内容説明
祖母が畑で作っていた苺のやわらかさ、何に触れても心がヒリヒリとした中学生のころ、アルバイト先で出会った夫との恋、インフルエンザで入院した8歳の息子の体温。息苦しさを抱えていた少女は大人になり、毛糸と編み針を手に最初はおそるおそる、そして次第に胸を張って、人生を編みだしてゆく。誰のなかにもきっといる「あのころの少女」が顔を出す、珠玉のようにきらめくエッセイ集。(解説・津村記久子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
azukinako
51
編み物にはどうやら不思議な力というか、編むという行為の中に不思議な力が宿っているような気がします。何かを作り上げるためにゴールに向かってひと目ひと目を積み上げる、編んだけれど気に入らなければ(間違えれば)何度でもほどいて編みなおせる、一度出来上がったものもまた別のものに変化させることもできる。なんか万能。タイトルのように万里子さんが万里子さんになっていくのをずっとこれかも見ていたい気持ちにさせる心優しい文章に魅せられました。でも、わたしには不器用すぎて編み物ができないことが残念。2025/07/14
チサエ
6
エッセイ。編み物作家さんだけど、言葉を綴るのも上手いな。なんだか身近な、例えば近所に住む昔馴染みのおねえさんの話しを聞いてるような読み心地でした。文庫化うれしいです、オビの色味がきれいね。2025/06/06
M Y
3
子育てをしていると自分の中にある子どもの部分が消えていく、そうかもなと同感しました。2025/08/02
しゅんぺい(笑)
2
家族、親戚の話、結婚するまでのちょっと迷った時期の話がとてもよかった。暮らしのあちこちに、好きと遊びを見つける。とても素敵で力強い言葉。2025/08/10
けい
2
持ち物や制作物の素敵さに気持ちが上がりました。大人になってもぬいぐるみが拠り所になるのは、わかるなぁと思いました。2025/06/15
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