内容説明
病に倒れる直前までに書かれた短篇を集成。馬に乗って新宿を彷徨う「あの農場には二度と」など、時代の危機を先取りする崩壊感覚と、生のあり方を問う真摯さに貫かれた世界水準の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
garth
8
「実際には、肉食の蟹は闘いに負けた人間を、頭から丸ごと食してしまうので、死体は残らず、なかなか実態が把握し難いのが現状であるのだが、それでも綿密な調査を求める声は後を絶たない」2025/05/28
おやぶたんぐ
4
「偉大な作家生活には病院生活が必要だ」(ttps://bookmeter.com/reviews/129427363)と共に購入。脈絡のない文章で展開する内容は、唐突にして不可解だがリーダビリティは高い。何だかパターン化している気もするが。2025/08/16
moon-shot
3
中原さん、初読みです。分裂症気味の脳内を妄想が駆け抜ける。女の殺し方を執着的に空想したり、食べられる大人のおもちゃを探し回ったり、気が付くと地下鉄のホームに立っているというのを何度もループしたり、やたら馬の話が出てきたり、武田鉄矢をディスり始めたり、ゴツゴツおばさんとかマスカット狩りとか、トバイアス星人とか、濃厚なカニミソとか。その合間合間に、できの悪いAIが出力したかのような平板な説明文が挟まってくる。コラージュみたい。疲れたけどカニミソならぬ脳みそぐちゃくちゃに掻き回されて、それはそれでちょっと快感。2025/06/05
じみ
1
良くわからなながらに心地よく読めました。 夢の中のような浮遊感を感じたり、不条理な世界に漂ってみたり、読んでいて薄い皮のなかにいるような感じがしました。 前向きに頑張ろうと思える時に読む本ではない気もしますが、暑くて(または寒くて)何もする気になれない日に後ろ向きにならないために読むのには良い本でした。2025/07/27
biwacovic
1
短い中に単語数以上の謎を残すテキストが並ぶ。もはや誰が主人公で、誰が語り手なのかわからなくなる混濁したテキストが現れ、カタログから転記したような無味乾燥なテキストが現れ、突如として悪意や絶望の怒りのイメージが差し込まれる。164ページから165ページの炸裂するコピペの洪水といったらもう。そして最終的には「PET OFF」を検索した。2025/05/30
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