内容説明
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ヒエログリフ解読に向き合い、試行錯誤した人々の1600年にわたる研究リレー。シャンポリオンの解読に至るまでと、あとに残された課題へ挑戦する現代までの取り組みを描く。あわせてヒエログリフの仕組みも理解できる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
44
2025年最初の読書。シャンポリオンによる解読物語はけっこう有名だが、彼以前にも多くの人々が解読にチャレンジしていた。なぜか、ヒエログリフがまだ生きていたローマ時代に、すでに「解読」が始まっているのは笑えない。地理的隔絶によって、コミュニケーションが難しかったことがわかる。シャンポリオンのコプト語の師であるド・サシによって、ロゼッタストーンのプトレマイオスなどの人名が不完全ながら既読だった効果は大きい。これは知らなかった。ヒエログリフを学びたくなったが、ヒエラティック・デモティックも読めたらいいなと思う。2025/01/01
サアベドラ
32
古代エジプト文字およびその解読史の入門書。2024年刊。前半は3種の文字 (ヒエログリフ、ヒエラティック、デモティック) と古代エジプト語の解説、後半はそれらの解読に貢献した人々の列伝。ヒエログリフ解読といえばシャンポリオンとヤングの解読競争が有名だが、それ以外の人々、特に古代中世でヒエログリフについて書き記した人やエジプト語文法書を書いた現代の言語学者などの情報は貴重ではある (一般読者に有益かは別として)。文字そのものやシャンポリオンの話はもっと詳しい本が他にあるので、それぞれ別にあたったほうがいい。2024/10/09
MUNEKAZ
13
シャンポリオン以降の解読の歴史がメインかと思いきや、古代ギリシャの哲学者から説き起こしており、1600年史に偽りなし。とくに中世のイスラム学者もヒエログリフ解読に挑んだことは、あまり扱われることがない内容で面白い。古代からの連綿たる探求がシャンポリオンの偉業に繋がり、そしてそこから現代の新たなエジプト学が生まれていくのである。またヒエログリフ自体の簡単な説明もあり、表音文字と表語文字の混在が解読を妨げていた要因であることがよくわかる。めちゃめちゃ「絵」なのに、音しか表さないものもあるのはトラップだよね。2024/07/30
さとうしん
12
前半がヒエログリフなど古代エジプト文字の基礎知識、後半が古代ギリシア・ローマから現代までの研究者列伝という構成。シャンポリオン以前の古代・中世の学者もコプト語との関係に注目するなど、後につながる研究をしていたりしてなかなかバカにしたものではないと感じる。また近世以後の西欧の学者に中国語の研究もしている人が目立つ(ほかならぬシャンポリオンもそうである)。ギーニュは中国文明起源説で知られるが、フン=匈奴同一説も提唱していたことは本書によってはじめて知った。2024/08/05
スプリント
10
ヒエログリフ解読の歴史。 最初に古代エジプト文字の説明から入ってくれたのがありがたい。 ヒエログリフ、ヒエラティック、デモティック、コプト語の基礎知識を知ることができた。 2024/10/02
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