内容説明
焼鳥店の主人はとみに年齢を感じるようになった。常連客でキャバクラ勤めの女性は、夫からDVの被害に遭っており、それを知った高齢のタクシー運転手は……(表題作)。事業に失敗し、同棲中だった若い女に貯えた金を持ち逃げされ、死に場所を探す男は道の駅で一匹の猫と出会うが……(「旅立ちの空」)ほか、ゾッとする展開で心底イヤになってくるが、その先に一条の光が見出せる、滋味溢れるサスペンス作品を7編収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ポロン
39
初読み作家さん。狐老を意味する、少し怖気づくような7つの短編集である。あえてジェンダーを超えて言うならば、人は皆、歳をいくと頑なになっていくような気がする。いくら若々しく、明るく暮らそうとも、それまでの人生において、痛い目をしたことを二度と繰り返したくない思いから、必然的にそこから離れようとする。それが柔軟性を失う時、また別の苦しみに苛まれることになる。達観した思いで、痛々しい文章の下に少し暗くなりながらも、こういった生活から遠いところで、生きていこうと改めて気を引き締める自分がいる。今の自分でよかった笑2025/10/20
はつばあば
38
私もたまには現世の本を読まねばと朝一番から。高齢者の私が読むにはあまりにも怖気を。2つ読んだだけですが男は女に騙されている?確認も取らずに認知を装って車で轢く?。冷凍庫に父親を入れる算段をする?。もう少し若かったらふんふんとのめり込んだでしょうが、爺婆二人暮らし、先もわずか(そういう者程長生きするようですが)。50代60代の人に読んでもらってレビューを楽しませていただきましょう2025/09/20
GAKU
29
バリエーション豊かな短編集。どの話も面白かったが、「ノーマネー・ノーライフ」、「旅立ちの空」が中でもお気に入りです。2025/09/20
Kazuko Ohta
26
同著者の『侠飯』にはいつも元気をもらっていますが、これは打って変わってめげる。7編中のいくつかはそうでもないけれど、皮肉なオチが待っている話がほとんど。想像すると身の毛もよだつ話もあったりして(笑)、怖すぎるホラー映画を観たときと同様に笑ってしまいました。だけどなんだかんだで私はやっぱりこの著者が好きなのかもしれません。やるせないなかにも優しさが見える話を読めばホッとする。人生を嘆いてばかりのオッサンには『侠飯』の柳刃に活を入れてもらいましょう。ついでにうんと美味しいものも食べさせてもらってください。2026/03/12
mayu
25
初読み作家さんの文庫本オリジナル作品。中年男性が主役の短編集はゾワリとしたり、感動したりと様々な要素でバラエティに富んでいて飽きなかったけど全体的になんとなくどんよりとしている。そして後味があまり良くないものが多い印象だった。現実的な設定なんだけど展開はそんな事ある?という感じで現実離れしていてうーん…となってしまった。その年齢ならではだよねと思わされた表題作が一番良かった。2025/06/17




