光文社古典新訳文庫<br> 三十棺桶島

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光文社古典新訳文庫
三十棺桶島

  • ISBN:9784334106478

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内容説明

悪名高い伯爵と結婚した末に、幼い息子と実父を一度に失う悲劇に見舞われたヴェロニク。14年後、彼女は悲しみを忘れるべく遠くの町で働き成功していたが、偶然見た映画の一場面で、見知らぬ土地の小屋に自分のサインが刻まれていることに気づく。探偵の情報をもとにその小屋に行ってみると、中には男性の遺体が! それは新たな惨劇の始まりに過ぎなかった。不吉な伝説と企みに満ちた島を舞台とした、怪盗ルパンシリーズの傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

だるま

17
この作品、子供の頃ポプラ社のルパン全集で読んだが、あのシリーズは南洋一郎氏の創作が大幅に入っているので、感覚的には初読み。冒頭から残酷なシーンの連続で面食らう。殺人に次ぐ殺人。シリーズの中では『813』も連続殺人を扱っていた筈だが、それとは比べ物にならない位の大量殺人で戸惑うばかりだった。ルパンの登場はかなり後半で、そこからようやく面白みが出てきたが、前半でウンザリしてしまったので低評価。古典新訳文庫の一冊だけど、他の作家(モーパッサンとかカミュとか)は代表作ばかりなのに、ルブランがこの作品なのは何故? 2025/06/17

きゃれら

15
南洋一郎翻案のルパンシリーズで読んでからおよそ半世紀。まさかの光文社古典新訳文庫入りで、読むしかない。こんなに荒唐無稽な話とはびっくり。解説で横溝「獄門島」との共通性を指摘されてなるほど。あの犯人もあれだったもんなあ、よく考えれば荒唐無稽だわ。途中から軽い気持ちで筋を追うようにして、子供の頃ワクワクしてたのを思い出しながら読んで十分に楽しんだ。図書館で南版を借りて違いを確かめようかな。2025/07/02

しゅー

10
★★「ルパンか、久しく読んでないなぁ」と思いながらの古典新訳文庫。しかも残虐さがこの上ない本作品。昔は気づかなかったけれど、第一次世界大戦が背景にあると聞いて納得。突然、殺戮の嵐に巻き込まれる登場人物の心境は著者の経験から?これも初読時は見落としていたモーリス・ルブランのドイツ嫌いと合わせて未曾有の惨事が人々に与えた傷の深さを知る。それにしても、不確かな予言や伝承を根拠に殺戮を繰り広げる悪人の存在とか、彼が望んだ「神の石」の正体とか、第二次大戦を暗示してませんか?時代がかった作風が一周まわって新鮮だった。2025/06/24

読書一郎

9
懐かしのルパンもの。かなりマイナーな本作がなぜか新訳で刊行されました。前半は読んでいて引くほど陰惨で残酷。理由もわからないまま、バタバタと人が殺されてゆきます。後半、ルパンが出てくると雰囲気が一変。さすが千両役者という感じでした。全体を通して、普通に楽しめるとはとても言えない小説でしたが、翻訳された中条先生の解説を読んで納得。第一次大戦という異常な状況が作風に反映している、と。中条先生の解説は、横溝正史に与えた影響なども考察されていて興味深かったです。新訳のでていない『813』もぜひ翻訳していただきたい。2025/05/20

クリフトン

1
子供のころの南洋一郎氏訳以来の再読 すっかり忘れてしまっている こんな話しだったかしらと思う ところで後書によれば南氏訳は翻案-超訳とある ならば「813」「奇巌城」なども読み直したくなった ここでのルパンは結婚後の明智小五郎のようでもある 二十面相らの悪役と明智をあわせるとルパンに近づくのかもしれない 高等遊民で変人そのものだった初期の明智のころがとても好きです 解説のような「獄門島」との関連はあまり感じませんでした また古い挿絵はとてもいい味を醸しています2025/06/20

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