内容説明
戦争や経済格差など、現代社会の様々な難題に直面する今こそ、哲学である。表面的な思考ではなく、問題を根っこから引き抜き解決する哲学の思考法を、師弟による初の対談を通して伝授する。
人気哲学者2人による初の師弟対談!
いま、私たちは、かつて経験したことのない問題に直面している。
一見、こたえの見えない問いに対して、
「誰が考えてもそう考えるしかない」こたえを探しだす思考が、「哲学」である。
現代を代表する哲学者の師弟である竹田青嗣と苫野一徳が、
紀元前6世紀のタレスに始まり、現在にいたるまでリレーされてきた、哲学の歴史を振り返りながら、その極意と学び方を伝授する。
哲学は、徹底的に問題を突きつめて考えるための
最強のアート(技術)である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ta_chanko
24
哲学とは事実ではなく価値を突き詰める学問。どう生きるべきか、どんな社会を構築すべきか。誰もが生きやすい社会をつくるには「自由の相互承認」を徹底すること。それを保障するには社会契約による一般意志にもとづく権力=国家が必要。アナーキーな社会ではホッブズが主張する「万人の万人に対する闘争」状態に。また資本主義経済も普遍分業・普遍交換・普遍消費を広げることで多くの人々の幸福に寄与してきた。国家(権力)や資本主義経済に対する批判は数多論じられてきたが、それを破壊すれば人々の生活は貧しく惨めで危険なものになる。2025/06/20
江口 浩平@教育委員会
17
【哲学】苫野一徳先生の新刊ということで手に取った一冊。対談本であるにも関わらずこれまで読んできた本の中でも圧倒的に濃い読書体験になったのは本当に驚いた。資本主義と民主主義の原理、本質を描くだけではなく、これからの社会の可能性を示していたのがよかった。学校でも本質観取をとりいれているところも増えてきていることを考えると、学校教育における「市民教育」をどのように進めていけるか考えるきっかけになる本だと感じた。2025/05/03
nagata
6
哲学は小難しい言葉を駆使して煙に巻くためのものではなく、周りの人々と共通理解を導き出しながら、ものごとの本質を取り出す頭の使いかたである、というのがビシビシと感じた。物理学と哲学の語源が同根であるということからもその通りだろう。とはいえ、その本質を見誤り、一部に都合の良い「物語」に援用されるととんでもないことになる。対話の積み重ねが大事。 2025/06/08
Hiro
4
最初はよくある哲学入門の、歴史上の哲学者や哲学風の術語を幾つか並べて解説したものかと思い、あまり期待せず読み出したが、そんな浮世離れしたものでないことが段々と第二章あたりから分かってきて最後は夢中で読んだ。昨今のエビデンス志向や昔からあるレッテル貼りへの反論は当然として、驚くのは最近流行のマルクス復権や贈与論、コモンの再建もはっきりと批判していることだ。哲学は不毛ではなく過去に現在の自由な市民社会のアイディアを提供したし今後は暴走する資本主義の歯止めと改善に寄与するだろうと自負する。フッサールが読みたい。2026/08/21
Oki
3
人間社会において最も大事な中心的な問いは「暴力の縮減」...はその通りだと思う。 しかし、道徳主義者が99人いても、闘争主義者が一人いれば、破綻する現実世界において99人が力をあわせて一人の闘争主義者を排除できるかどうかはかなりの難題。 力をあわせるには、「暴力の縮減」の時計の針を逆向させるのがどの程度悪いかのコンセンサスが必要。プーチンとトランプの会談の日に思う。2025/08/16




