内容説明
斎藤カユは見知らぬ場所で目醒めた。姥捨ての風習に従い、雪深い『お山』から極楽浄土へ旅立つつもりだったのだが。そこはデンデラ。『村』に棄てられた五十人以上の女により、三十年の歳月をかけて秘かに作りあげられた共同体だった。やがて老婆たちは、猛り狂った巨大な雌羆との対決を迫られる――。生と死が絡み合い、螺旋を描く。あなたが未だ見たことのないアナザーワールド。(解説・法月綸太郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
151
冒頭、登場人物表に50名以上の老婆の名前と年齢が列記されている事にまず仰天させられる。いわゆる「姥捨山」を逃れた先に老婆達が30年以上かかって築き上げた集落「デンデラ」。本当に、登場人物が全員老婆ばかりであるが、よくもまあこんな舞台設定で400ページ超もの小説が書けるものだ。捨てられた村への恨みから集団で村を襲おうと計画する「襲撃派」とこのまま安泰に暮らそうとする「穏健派」の派閥争いに、突然襲撃してきた巨大熊の恐怖。敢然と闘う姿勢を見せる老婆達。彼女達のそれぞれの死生観が胸を打つ。最後まで面白く読んだ。2024/05/07
honyomuhito
78
問い:姥捨山に羆が現れ、老婆たちが襲われたらどうするか? 答え:武器を持って戦う。溢れ出るB級パニックホラー感。70歳オーバーになり姥捨山に捨てられ、集落を作りほそぼそと生き延びていた老婆たちは、襲ってきた羆と戦うことにした。積読本がたまっているのに、ついこんな午後のテレ東でやりそうな本を読んでしまった。現実ばなれし過ぎて、共感するとかしないとかいう次元でないので、婆さんたち大変だなあと思いながら、とりあえず読了。https://chirakattahondana.com/デンデラ/2019/02/03
アッシュ姉
75
【読メクマ会課題図書】五十人の老婆と羆との戦い。姥捨て山は羆の縄張りだった。穴持たずの子連れ雌羆が老婆たちに襲いかかる。独特の台詞回しになかなか馴染めなかったけど、ラストは疾走感をもって読了。婆さんがパワフルで、ついクマを応援しそうになった。2018/04/04
takaC
74
登場人物は5人ほどしが把握できなかった。30年で初めての羆襲撃なのはもうちょっともっともらしい理由付けが欲しかったな。2013/11/15
はらぺこ
70
昔、ドリフ大爆笑で、年老いた母親を山に捨てに行ったら、以前捨てられた老人達が皆元気に暮らしてるっていう『楢山節考』のパロディーがありました。確か温泉が湧いてたとかって理由やったと思います。このデンデラはそのコントと『楢山節考』の間やと思いました(笑) 結構えげつないシーンが有るのに映画になってるんですね。正直驚きました。 登場人物が多いのは構わないんですが、最初の方のページには名前だらけって事もあったので、セリフも無いような人物にまで名前が有るのはどうかと思いました。 2012/07/02
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