内容説明
日常に捻じ込まれた怪しい白昼夢
「あんたもアレが見えてるんだろ?」
奇妙すぎる体験談を徹底取材!
日常の裏側に潜む怪しい記憶。理屈では測れない奇怪な体験談を鷲羽大介がガチ蒐集!
・百歳の老人が話す、若き日の恐ろしくも甘美で壮絶な体験「若き黄金の日々」
・単身赴任で入ったマンションで出くわした怪異とは「独身貴族(仮)」
・朝起きて鏡を見たら昨日までの自分でなく…「完全変態」
・味はいいのに客が定着しない店の衝撃の理由「見えないうちに食え」
・スーツ職人が遭遇した奇妙な出来事「君の名は」
・首がない夏服のセーラー服を着た子が!マンションを訪れた異形の存在「豪胆な男」
――など、理屈では測れない奇談を怒涛の101話収録! じわじわと浸食してくる怪異、油断禁物!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
58
実話怪談集。「不条理」と銘打たれているものの、そこまで不条理な話は無い。代わりにそこにあるのは日常に開いた穴を覗き込むような話。ふと見過ごしがちだけどそれに気が付いたら覗き込まないではいられない、そんな奇妙な話ばかりが収められている。スーツの名が変わってた話とか女性と自動販売機の話とか、一見見間違いなのにそれが妙に後を引くし。あと個人的には著者が前面に出るのは好みでは無いのだが、この人は別。どこか自分を客観視していてそれが飄々とした語り口と合うのである。巨漢二人がスイーツ食べるシーンとか、もうね。2025/05/16
eyemu
12
不思議な話が多い。 不条理という言葉が合う。 特に牛の舌とかは、本当に不条理W2025/06/25
XX
9
幽霊というより妖怪寄り。怖いというより不思議寄り。不条理すぎて逆に笑っちゃうような話も多いのだけど、稀にぞっとする話も紛れ込んでいる(「逆神」「なにげない話 その三」「赦し」等)。犬が出てくる話はちょっとうらやましくもあった。「若き黄金の日々」は横溝正史とか江戸川乱歩を読んでいるよう。2025/05/14
tow
8
あまり怖くない一冊。不思議な話がいっぱいだからかな。2025/07/17
澤水月
8
怪異そのものも不可解で興味深いが「語る人に対する著者」の佇まい、地の文もヒネリがありいつもいい。泥酔ギャルと自販機の奇譚から西行の歌「おわしますかは知らねども」に重ねタイトルつける発想で忘れがたい話になる技お見事! 100歳の男性からの聴き取りほか性に関する話題も幾つかあり、生と死との境にある業の深み感じる。読了5/112025/05/16