内容説明
『死刑にいたる病』の著者が放つ、カップル・シリアルキラー小説の傑作
コールセンターで働くイチカは平凡な日常を静かに過ごしていた。そんなある日、居酒屋で隣り合った大柄な女が人を殺す場面を目撃したことから、連続殺人鬼との奇妙な共同生活が始まる……その関係は支配か友情か恋か。ふたりが堕ちてゆく果てにあるものとは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
149
ここに新たな悪女誕生す!その名は「市果」かぁぁぁ!みんな騙された。まんまと櫛木理宇にやられたのは私だけじゃないはず。こんなラストを用意してたなんて・・読み友さんが「凶器の女」と評したのも頷ける。どうぞ美雨が否、芹香が穏やかに暮らせますようにと祈るしかない読後感だ。2025/05/21
モルク
128
コールセンターで働く派遣社員の市果。ある日殺人鬼の女に囚われ市果のアパートで彼女イノリとの生活が始まる。次々と殺人を行い、ついには市果の会社の上司、同僚までも…そして二人の逃亡生活が始まる。そこでも人を殺しては金を奪い、意外と逃亡生活を謳歌する。警察は市果は拘束されつれ回されていると考えていたが…。幼いときに連れ去られた警察官の娘の話とどのように結びついていくのかと思ったら想像以上の急展開。後味のとてつも悪い終わり方。この先のことは考えたくないほど気持ちがザワザワする。2025/07/19
ちょろこ
122
予想外の方向が面白かった一冊。ある日を境に連続殺人鬼との共同生活を余儀なくされた主人公イチカ。殺人は止まることを知らず、桜前線ならぬ殺人前線北上の逃避行生活。次第にイチカたちのバランスの中で芽生え変化していく感情は、重なる生い立ちが絡むとちょっとせつなくもあって読みながら思わず感情を揺さぶられることも。このままどういうなれの果てを迎えるのか、追う刑事の事情も絡み出して複雑かつ予想外の方向へいざなわれたのが面白い。そして最後の最後までバッチリのこのゾゾっと感が櫛木さんらしい。イメージは虎視眈々のハンターか。2025/05/17
yukaring
95
これは確かに腐ってるわ…。道行きの合間に普通に人を殺す女と“女”。2人の女のいびつな関係と待ち受ける未来から目が離せない櫛木さんらしいサイコサスペンス。コールセンターで働く市果はある日居酒屋で出会った“女”の殺人現場を目撃した事から、彼女に拘束され奇妙な共同生活が始まる。壮絶な子供時代を持ち心に闇を抱える2人は意気投合し北へと墜ちていく。その先に2人を待つものは…。淡々と殺人を繰り返すサイコパスっぷりに恐怖しつつ、また2人の境遇には心が痛むという複雑な感情に戸惑う。そしてまたラストに待つ恐怖が秀逸だった。2025/06/17
hirokun
92
★3 櫛木さんのホラー連続殺人鬼小説。心理学派生の様々な症状・学説を引用してサイコキラーを描いた作品で極めて読後感の悪さを感じさせる。櫛木さんの狙い通りの効果を発揮しているのだろうが、私には今一つしっくりこない。2025/05/31
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