内容説明
幼い頃に家族バラバラになり、親代わりの祖母とも死に別れた天涯孤独の青年・出淵恭二は、生活に困窮し、山で穴を掘るだけで日当十万円というバイトに参加する。
だが、突風と共に現れた「ナニカ」によって、土中に生き埋めにされてしまう。
酸欠で意識も朦朧とし、死を意識したそのとき――穴の上から恭二を覗く、喪服姿の奇妙な若い男女に助けられる。
全く似ていないが兄妹らしき2人は、なぜか初対面のはずの恭二を「弟」と呼び、強引に彼ら“平阪家”の一族が住まう家へと連れていく。
そこには、恭二の「祖父母」と「父母」だという、全く見知らぬ怪しげな人々が待ち受けていた。
彼らは疑似家族の形をとり、由縁不明の怪異に、偽の由来や物語をつけて葬ることを生業とする集団――偽葬家だった。
恭二は生きるために仕方なく、平阪家の一員、次男として怪異に対峙し、偽葬を行っていくことに。
謎めいた平阪家の人々が抱える過去、そしてラストで明かされる驚愕の秘密とは。
大好評ホラーエンタメ「領怪神犯」シリーズの著者が満を持して贈る、新たな家族と兄弟の物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
117
偽の家族が怪異に立ち向かう一冊。命を救われたことを機に異様な喪服集団の偽家族の次男に抜擢された主人公の恭二がさまざまな怪異に立ち向かうストーリー。偽家族って悪事的なイメージがつきものだけど、こちらは真逆。腑に落ちる物語を作って怪異を納得させ供養するという、これまたワクワク感を掻き立てる斬新な設定がいい。個性溢れる魅力的な家族たちの古事記に則ったそれぞれの役目も面白い。恭二が次第に儀式と家族に染まり自分の立ち位置を見つけていく姿、そして予想できることはあれどそこに至るまでの描き方がラストまで綺麗で良かった。2025/06/17
yukaring
72
怪異を物語で封じ込めて弔い祓う「偽葬」この奇妙な商売を生業とする平阪家に加わった天涯孤独の青年・恭二の怪異譚。闇バイトに応募して山で生き埋めにされかけた恭二。彼は危ういところを2人の男女・柊一と三沙に救われる。偽葬を行う平阪家は他人が集まり家族を演じる異様な喪服の集団。この家族の次男となった恭二は“哭き女”として様々な怪異へと立ち向かっていく…。山に巣くい贄を求める怪異や幼い子を残した両親の未練、怪異に操られる人。困難に立ち向かう内に疑似家族たちに芽生える信頼感が心地よい。ラストのサプライズも素敵だった。2025/05/05
ケイト
56
生き埋めにされそうになった恭二を助けてくれた「平阪葬儀屋」の兄妹。ふたりは偽りの話を作って、怪異を成仏させる偽葬屋一族。なんのこっちゃ!でもまたまた面白い設定で楽しませてくれた。平阪家の一員となった恭二、生きていくため納得したわけではない。でも先々で出会う怪異に怯える人達に言葉をかける恭二は、一見無愛想だけどとても優しい。最後は予想通りの展開で嬉しくなった。2025/08/12
さっちゃん
51
天涯孤独の青年・出淵恭二は闇バイトに参加し、「ナニカ」に山中に生き埋めにされる。それを救ったのは擬似家族として怪異に偽の由来や物語をつけて葬る偽葬家・平阪家。 恭二は生きるため平阪家の次男として怪異に対峙し、偽葬を行っていくことに…。/最初は家族ごっこに辟易していた恭二が、偽葬を重ねていくうちに本当の家族のように絆を深めていく。平阪家がそれぞれ良いキャラ。怪異自体は恐いがキャラのおかげでサクサク読める。ラストに明かされる真実は薄々感じていたことだけれど、それでも嬉しいサプライズ。ぜひ続編が読みたい。2025/05/17
のりすけ
42
偽の物語を作り葬儀をし怪異を静める一族と、その一族に拾われた青年の物語。ヤンキーっぽくって、でも実は優しくて、ありがちなキャラ設定ながら、周囲の人たちのキャラ付けも併せて、それなりに上手く纏まってたと思います。お兄ちゃんの件も予想は突いたけど、これはこれで良し。装丁から予想してたのとは違ってて、それもまた善き哉でした。続編が出るのかもと期待してたら…。でも出るのを待ってます。2025/08/06
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