岩波現代文庫<br> 済州島四・三事件 - 「島のくに」の死と再生の物語

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岩波現代文庫
済州島四・三事件 - 「島のくに」の死と再生の物語

  • 著者名:文京洙【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 岩波書店(2025/04発売)
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  • ISBN:9784006003777

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内容説明

かつて朝鮮半島の南の島・済州島で,130余りの村が焼かれ3万人近い島民が犠牲となる凄惨な事件が起きた.本書は長年タブーとして封印されてきたその実相を解明し,事件の歴史的背景,真相糾明に向けた困難な闘い,そして歴史と真実を恢復し島共同体が再生するまでを描く.事件70周年を期して文庫化.

目次

はじめに
第Ⅰ章 済州島とはどんな島か――神話時代から植民地期まで
第一節 皐民(こうみん)(海の民)の時代
火山島――三多の島/ 耽羅(タムナ)の国/海の帝王・張保皐
第二節 海の時代から陸の時代へ
モンゴルの遺産/流刑の島/抵抗の伝統
第三節 植民地時代の済州島
植民地化/君が代丸/マルチ・エスニシティ都市・大阪/海女(ヘニョ)たちの反乱――済州島の抗日運動/日本の社会運動と済州島人/「決七号作戦」
第Ⅱ章 四・三事件への道のり
第一節 信託統治の挫折
ソ連の参戦/信託統治/分断に向かって/人民委員会と米軍政/左右合作と一〇月人民抗争
第二節 済州島の人民委員会
解放直後の済州島/済州島建準の組織化/人民委員会への移行/開かれた人民委員会/わが道を行く人民委員会
第三節 三・一節事件
済州島の左派勢力/南労党済州島委員会/三・一節の発砲事件とゼネスト/米軍政の対応/西北青年会/引き裂かれる済州島社会
第Ⅲ章 四・三事件の経緯と殺戮
第一節 武装蜂起
追い詰められた南労党/新村(シンチョン)会議――蜂起の決断/決起の日/武装蜂起の性格
第二節 阻止された単独選挙
国防警備隊/四・二八和平交渉/単独選挙/鎮圧に乗り出した警備隊
第三節 分断国家の下で
建国/海州会議/本格的討伐戦への準備と米臨時軍事顧問団/麗順(ヨスン)(麗水(ヨス)・順天(スンチョン))事件/軍服を着た西青,そして戒厳令/焦土化作戦の背景――米軍撤退問題
第四節 焦土化作戦
朝天面での殺戮/パッソンネの虐殺/若者の消えた村,兎山里(トサンリ)/代殺――逃避者家族の虐殺/失われた村/水葬――知識層の虐殺/武装隊による殺戮/ 北村里(プクチョンリ)の悲劇――最大の虐殺事件/最終討伐戦,そして金時鐘/戦時下の虐殺/最後の武装隊
第Ⅳ章 その後の済州島――沈黙の壁を越えて
第一節 沈黙と停滞
クェンダン共同体/レッド・コンプレックス/ポリッコゲ/四・一九学生革命
第二節 変わる済州島社会
漢江の奇跡/飢餓からの脱出/蜜柑と在日/観光開発
第三節 蘇る済州島
六月抗争/スヌルム,固有の文化の再発見/立ち上がる海女たち/済州道開発特別法
第四節 四・三特別法への道
闇を穿つ作家たち――玄基榮と金石範/四・三運動の胎動/受難と和解/特別法制定に向かって/『済州四・三事件真相調査報告書』
終 章 記憶をめぐる対話に向けて
第一節 残された課題
四・三特別法の改定/遺骸発掘/四・三事件と在日/阪神教育闘争と四・三事件/日本の四・三運動
第二節 記憶をめぐる戦争
韓国の過去清算/記憶をめぐる内戦/四・三事件の「歴史定立」
おわりに
白碑に何を刻むか――現代文庫版あとがきにかえて
図版出典一覧
参考文献
済州四・三事件真相糾明および犠牲者名誉回復に関する特別法
済州島四・三事件関連年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイティ

24
ハンガン著『別れを告げない』から、済州4・3事件について勉強中。基礎的な史実、調査をベースに、もっと手前からその後の流れまで網羅されていて、入門としてとても参考になった。単なる島民抗争でなく、あまりにも複雑な多重構造。小さな点や分岐で起こってしまったというより、この島民感情やイデオロギー、アイデンティティの行き先は必然にすら感じてしまうほど、国そのものが翻弄され続けている。蓋をせず向き合い、調査は必須であり、引き続き関心を持ち理解を深めていきたい。2024/05/30

二人娘の父

12
済州島の歴史から説き起こし、なぜ事件が起きてしまったのか、そして事件の全体像、さらには事件後の被害者および加害者たちの「その後」までを網羅する。入門書として極めて重要な著作ではないだろうか。「なぜ起きてしまったのか」という点で済州島の歴史的文脈と、日帝支配下以来の特殊な政治状況について理解が深まった。課題は、犠牲者・被害者の多くが事件について何も語らぬままできていること、さらにはこの事件を通じて韓国への憎悪が、北への「接近」となった事例(映画「スープとイデオロギー」がその例)の研究と記録であろう。2023/03/04

活字の旅遊人

9
ようやく光が。いい観光地には、暗い過去があるのかな。沖縄やグアムも、、、

晴天

5
済州島で3万人が虐殺された四・三事件について、イデオロギーの文脈を離れて、島への迫害と抵抗という側面から紐解く。自治の気風が強い済州島は、日本降伏後の権力空白期に自治共同体が立ち上げられたが、そうした動きは軍警等によって苛烈な弾圧を受けた。独立の気風の強く、高麗時代から「難治の島」と呼ばれた済州島で、四・三事件の後は目立たず、抵抗せず、力ある者を支持することが島民の生存戦略として定着したという著者の分析から、誰がどんな理由で殺されても不思議ではなかった経験がどれだけ島民を苛んでいるかの片鱗が窺われ、重い。2018/04/29

takao

1
1万人以上が犠牲に2021/07/23

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