集英社新書<br> 食の本 ある料理人の読書録

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集英社新書
食の本 ある料理人の読書録

  • 著者名:稲田俊輔【著】
  • 価格 ¥1,067(本体¥970)
  • 集英社(2025/04発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087213577

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内容説明

未曽有のコロナ禍を経て、誰もが食卓の囲み方や外食産業のあり方など食生活について一度は考え、見つめ直した今日だからこそ、食とともに生きるための羅針盤が必要だ。料理人であり実業家であり文筆家でもある、自称「活字中毒」の著者が、小説からエッセイ、漫画にいたるまで、食べ物にまつわる古今東西の25作品を厳選。仕事観や死生観にも影響しうる「食の名著」の読みどころを考察し、作者の世界と自身の人生を交錯させながら、食を〈読んで〉味わう醍醐味を綴る。食べるだけが「食」じゃない! 人生に必要なことはすべて「食べ物の本」が教えてくれる!!

目次

まえがき
水上勉『土を喰う日々―わが精進十二ヵ月―』
平野紗季子『生まれた時からアルデンテ』
土井善晴『一汁一菜でよいという提案』
東海林さだお『タコの丸かじり』
檀一雄『檀流クッキング』
近代食文化研究会『なぜアジはフライでとんかつはカツか? カツレツ/とんかつ、フライ、コロッケ揚げ物洋食の近代史』
玉村豊男『料理の四面体』
野瀬泰申『食は「県民性」では語れない』
三浦哲哉『自炊者になるための26週』
加藤政洋/〈味覚地図〉研究会
『京都食堂探究「麺類・丼物」文化の美味なる世界』
原田ひ香『喫茶おじさん』
千早茜『わるい食べもの』
ダン・ジュラフスキー/[訳]小野木明恵『ペルシア王は「天ぷら」がお好き? 味と語源でたどる食の人類史』
畑中三応子『ファッションフード、あります。 はやりの食べ物クロニクル』
上原善広『被差別の食卓』
吉田戦車『忍風!肉とめし1』
西村淳『面白南極料理人』
岡根谷実里『世界の食卓から社会が見える』
池波正太郎『むかしの味』
鯖田豊之『肉食の思想ヨーロッパ精神の再発見』
久部緑郎/河合単『ラーメン発見伝1』・『らーめん再遊記1』
辺見庸『もの食う人びと』
新保信長『食堂生まれ、外食育ち』
柚木麻子『あいにくあんたのためじゃない』
森茉莉/[編]早川暢子『貧乏サヴァラン』
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

tetsubun1000mg

15
料理に関することを書かれた本を題材にして書かれている本だった。 筆者は文章がうまく、読んでも分かり易いので好みです。 本作は、平野紗季子「生まれた時からアルデンテ」土井善晴「一汁一菜でよいという提案」原田ひ香「喫茶おじさん」千早茜「わるい食べもの物」など、自分でも読んだ本を取り上げられることも多かったので味わいながら読み進めた。2025/07/25

緋莢

12
料理人であり文筆家である著者が、小説、エッセイ、マンガなど、食にまつわる本を25作品紹介しています。<僕がそれまで無邪気に信奉していた「プロの世界の繊細な技法」を全否定するかのようなこんな価値観が、この作品の中では繰り返し語られます>と書いている水上勉『土を喰う日々』 読んだ瞬間、お腹が鳴ったのに、その本の作者は<昔ほどおいしくなかった。>とその後書いており 裏切られた気持ちになった千早茜『わるい食べ物』(続く2025/06/11

Hatann

8
人生に必要なことはすべて「食べ物の本」を教えてくれたという実感をもとに、小説からエッセイ、漫画に至るまで25の名著を読んで未知なる世界を味わう読書録。紹介される作品もさることながら、著者の読書に対するカマエが心地よい。本の中の世界を本の中に完結させず、作者の世界と自身の人生を交錯させ、作者との妄想的対話を通じて、共感、疑問、反論、発展などのテーマを掴み取るのだ。料理や食べ物を知ることは、様々な時代や場所の文化を知り、人々の生き様に想いを馳せること。かくして、食べ物の本の読者は世界を知り、世界と繋がる。2025/06/08

Cinita

7
料理人にして文筆家でもある著者の、食にまつわるブックガイド。自身のエピソードや料理観を通してその本の面白さを分析し、独特のワードセンスと軽快な語り口で紹介していて、どの本にも軒並みそそられてしまう。「檀流クッキング」「なぜアジはフライでとんかつはカツか?」あたりはぜひ読みたい。まえがきで「子供の頃は知識を得るために受け身で本を読んでいたけど、自分の中に経験を蓄積していくうちに、作者と対話するように読めるようになった」という趣旨の話をされていて、自分は今でも結構受け身で読んじゃってるなあ……と少々反省。2025/05/31

きゅー

6
料理本に関する読書録。料理に関する深い知識と愛情が明確かつ十全に言語化されているのでタメになるうえ、面白い。何より彼の文章に溢れている謙虚さ故に気持ちよく読み進めることができる。ここで紹介された本はすべてチェックして少しずつ読んでいこう。 2025/12/03

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