内容説明
ベストセラー『じい散歩』『団地のふたり』(ドラマでも評判!)の著者による、人生が愛おしくなる団地と散歩の物語!「ゆっくりでいいよ、わたしはいつも花の味方だよ」16歳の花は高校になじめず、ずっと休んでいる。そんなある日、母方のおばあちゃんのゆり(70歳)から、むかし住んでいた「つつじが丘の団地に行ってみたい」と言われ――そこからふたり(たまにいとこも参戦)は、つつじヶ丘、狛江、豊洲……といろいろな団地をのんびりめぐって、お寿司、蕎麦、カレー、ケーキ、ラムネなどおいしい御飯やスイーツを楽しむことに。花&ゆりの年の差コンビが、お互いを思いやりながら、ちいさな幸せをみつけていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
120
70才の祖母と高校に行けなくなった孫の花が、昭和の香り漂う団地をまわりそこで再生しているカフェや飲食店を巡る。巨大団地の老朽化、住民の高齢化や空き部屋の増加そして簡単に建て直しが出来ない…など様々な問題を抱えている。未だにこんなに巨大団地があるのね。団地を巡る散歩に、東京都の区分地図をめくりながらその交通機関も検索しつつ私も参加していた。実際にあるお店が出てくるのでそれをググってみるのも楽しい。豊洲四丁目団地にある「すきやばし次郎豊洲店」サービスランチ握り1・5人前で1800円?限定15食!行きたい!2025/08/07
のぶ
115
肩の凝らない本でゆったりと楽しめた。おばあちゃんと高校不登校の孫の花とで、都内の団地に入居、または、団地周辺にある飲食店やカフェを巡る話。月1回のペースを目安に行ってみたい場所を一緒に訪れる。自分は東京の地理に詳しくないが、訪れたくなるような団地とそこにあるおいしそうな店の描写。散歩番組を見ているような、本当に日常の何気ない一部を切り取った感じがとても良かった。おばあちゃんの懐の大きい優しさ、花のおばあちゃんへの思いやりや、この先についてちょっとだけ不安に思う気持ちなどに心を動かされた。2025/05/13
ひさか
87
2025年4月角川春樹事務所刊。あぁこれは続編出るわなというのと、団地の再生、リノベーションというのがそんなにも流行ってるんだというのを再認識。話そのものはゆるーい出来事で推移し、ちょっとした話が淡々と続く。いつまででも続けられるんじゃない?と思って、冒頭の続編話に思い至りました。2025/05/31
花ママ
80
高校を休学中の花に、70歳のおばあちゃんゆりさんが「昔住んでいた、つつじが丘の団地に行ってみたい」と言ったことがきっかけとなり、2人の団地巡りと、美味しい食の探訪が始まった。結局花は高校を中退したのだが、寛大な両親の接し方や「ゆっくりでいいよ、わたしはいつも花の味方だよ」と言うゆりさんの言葉は、花の支えとなっていると思う。2025/05/10
いたろう
76
「団地のふたり」のシリーズかと思ったが、関係なかった。藤野さん、どんだけ団地が好きやねん。高校を休学している花とおばあちゃんの、団地と団地の中の飲食店めぐり。実在の団地やお店がいろいろ出てきて、団地にも店にも興味がわく。いくつかは実際に行ってみたくなった。つつじヶ丘・神代団地、高田馬場・西大久保アパート、豊洲・豊洲四丁目団地、狛江・狛江団地、国領・調布くすのきアパート、千歳船橋・希望ヶ丘団地、祖師ヶ谷大蔵・祖師谷住宅、鶴川・鶴川団地。団地でお店を開くことにも興味を持ったおばあちゃんと花。次はお店を開く話?2025/08/09