内容説明
トランプ ヴァンス 石丸伸二 尹錫悦……
なぜ破壊者は台頭するのか。
「何かが間違っている」。そう主張し、政府やメディアなどを
「既得権益化したエリート」として批判する“カウンターエリート”が
支持を集め、世界中で地殻変動が始まっている。
シリコンバレーで生まれた彼らの思想を手がかりに、
その背景や論理、これから起こる変化を徹底解説。
ニュース解説メディア『The HEADLINE』編集長、初の著書。
■トランプ2.0以後の世界を読み解く必読書■
大統領に再選したドナルド・トランプ大統領、影響力が増すイーロン・マスク、
ゼレンスキー会談で注目を集めた副大統領のJ.D.ヴァンス…
彼らに共通するのは、既存の「リベラルな秩序」に挑戦するカウンターエリートという潮流だった。
彼らは単なる「反エリート」ではなく、自らの「何かが間違っている」という主張を掲げ、
支持を広げている。背景にあるのは、世界的投資家ピーター・ティールや
暗黒啓蒙の思想家カーティス・ヤーヴィンらが支持する「奇妙な右翼サブカルチャー」だ――。
なぜリベラルなシリコンバレーは、保守派に転向しつつあるのか?
なぜ世界で同時多発的に、新たな政治家が台頭し、既存秩序を揺るがしているのか?石丸現象や兵庫県知事選、韓国の戒厳令などに共通する背景とは?
リバタリアンからポッドキャストに台頭するマノスフィア文化、反Wokeまで
広範な思想を読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
政府やメディアなどを既得権益化したエリートとして批判するカウンターエリート。なぜ彼らが支持を集めて台頭するのか、これから起こる変化を解説する1冊。反エリートではなく何かが間違っているという主張を掲げて支持を広げているカウンターエリート。保守派に転校しつつあるシリコンバレー、既存秩序を揺るがす新たな政治家の台頭する背景、それが何をもたらすのかを解説していて、現状維持が問題を解決するわけではないとは感じるものの、彼らがSNSも駆使してリベラルな秩序を間違っていると破壊した未来に希望を見出すのも難しいですね…。2025/05/27
読書一郎
13
ドナルド・トランプの再選、その背後にいるシリコンバレーの大物たち、ドイツやフランスでの極右政党の躍進、日本の石丸現象…これらを読み解く鍵が「カウンターエリート」です。既存のエリートや社会システム、価値観を否定する新しいタイプのエリートのこと。本書では、彼らの背景や同床異夢とも言うべき内実を教えてくれます。現代社会やリベラリズムがいろいろ限界を迎えているのは間違いないと思うのですか、どう再構築するかはとても難しい問題ですね。私はヴァンス副大統領に期待していたのですが、彼もなかなかたいへんな人のようだし…2025/05/25
しゅん
12
トランプ大統領二期目に、なぜイーロン・マスクをはじめとするテック企業の成功者たちが参入しているのか。本書は、既存の国家政治に対する「何かが間違っている」という思いが、テックエリートと合衆国の低所得層で共有されていると説明する。その一番のキーパーソンがピーター・ティールであり、幼少期から才能をみせつけてきたエリートが、官僚エリートを批判する思想を描いていく。本質的に必要な進歩を抑圧しているのがリベラル・デモクラシーであり、多様性の主張は悪質な目くらましに過ぎないという思想が示されていく。2025/07/16
はるき
12
今アメリカで起こっているあれこれの根底に流れる思想について分かりやすく解説。政府を否定し規制を否定し、新たな理想郷を夢想する。でもなあ、いくら頭が良くてもなあ、人の話に耳を傾けられない奴は駄目だと思うんだよなあ。エリートを否定する超エリートの皮肉。方丈記とか読んだ方が良いと思う(真面目に)。2025/07/03
Katsuto Yoshinaga
11
刊行前の紹介文や帯の惹句から、勝手に石丸某とかお騒がせ知事とかを揶揄した本かと思っていたら、全く違った硬派な一冊。偶然にも、「世界秩序が変わるとき」、「日本経済の死角」、「世界の今を読み解く 政治思想マトリックス」と続けて読んだ後だったおかげで非常に腑に落ちた読書となった。現アメリカ政権、ピーター・ティール、リベラルへのアンチ、さらに保守でもなく破壊者であること等々、斎藤ジン氏の経済に関する見立てや、茂木誠氏の新機軸での政治の見方と合致する点が多く、先の読書がなければ分かり難かったと思う。(コメに続く)2025/05/12
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