内容説明
さまざまな思惑が絡み合う《事故物件》マンション。そこに隠された驚きの真実とは……!?
弱小出版社の若手編集者・山城龍彦は、社長命令で、事故物件だと言われているマンションに住むことになった。そこで起きている怪奇現象の検証や取材をして本にまとめろというのだ。
優秀過ぎる学生バイト・小野寺はるかの援軍も得て聞き込みをし、このマンションがお化け屋敷と呼ばれている証言を得るが……。
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マンションに住む武藤大樹の小三の息子が行方不明になってしまった。そんな状況で妻は、「きっと悪魔に攫われた」と言い出す。霊感があるという妻の突拍子もない発言は初めてではなかった。
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売れない役者兼ホストからスカウトされ、深夜番組で霊能力者を演じて人気を博していく葛木竜泉。もちろんニセ霊能力者なのだが、番組の企画で心霊マンションでロケをすることになり……。
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オカルトYouTuber・サーナこと冴木早菜。マンションを仕事場にしてさっそく怪奇現象が起こり、ネタになるとほくそ笑むのだが――。
*web小説サイト「カクヨム」で先行掲載開始!
*電子書籍版特典として、書き下ろし番外編ショートストーリー「二人は仲良し」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シャコタンブルー
60
ホラー特有の得体の知れない怖さもあったがラストは不思議と清々しい気分になった。タイトルの意味を知った時にアッと驚かされた。ホラーを読んでこんな気持ちになったのは久しぶりだ。4つのバラバラだった物語が徐々に交差しながら鮮やかに収束していく展開が素晴らしかった。悪天候で曲がりくねった道をアクセル全開で走るような危険と隣り合わせのスピード感を味わえた。登場人物も魅力あふれている。特にペテン師のような軽さと怪しさを持ち合わせた役者兼ホストの葛木の存在感が抜群だ。彼を主役としたアナザーストーリーを是非とも読みたい。2025/06/10
さちこ
44
ちょっと強引に辻褄を合わせた感じ。ミスリードの仕方もいまひとつか。2025/06/05
海の仙人
38
初読みの作家さん。事故物件のマンションに潜入調査をすることになったオカルト雑誌編集者の山城とアルバイトの小野寺。マンションに住む母親と息子が突然行方不明になる。それはこの地に伝わる河童の仕業なのか…。最後にタイトルの意味が明らかになり、そう来たか…と納得。ライトなオカルト小説でした。2025/08/22
のりすけ
34
ホラー単体として読めばそれほど怖くはない。でもこのミステリ構成はとても面白い。様々な視点がどんどん集束して行って最後に…。そしてタイトルが良い、そういうことか!と、ある意味感動しちゃった。山城&小野寺コンビ、シリーズ化しないかなぁ。2025/07/18
よっち
33
社長命令で事故物件マンションの謎を探るためにそこに住むことになった弱小出版社の若手編集者・山城龍彦。そこで思わぬ事実が明らかになっていくホラーミステリ。優秀過ぎる学生バイト小野寺の協力も得て聞き込みを始める山城。そこに行方不明になってしまった息子、霊能力者となった元役者兼ホストやオカルトYouTuberの視点のエピソードも絡めながら、周辺の伝承や心霊現象、心霊の正体が徐々に浮き彫りになっていく展開で、そこから群像劇的ストーリーが複雑な人間関係も含めて繋がっていって、最終的に明らかにされた結末は圧巻でした。2025/06/05




