内容説明
ノスタルジーと、可笑しみと。
池袋、飯能、日本橋、所沢、諏訪、田園調布、高知、恐山、湯河原……。
自分の中の記憶を、街単位で遡る。そこから掘り起こされる、懐かしいだけでは片付かない、景色と感情。
気鋭のエッセイスト、最新書き下ろし。
『好きな食べ物がみつからない』が話題の、最注目のエッセイスト・古賀及子最新書き下ろしエッセイ。
幼い頃からの「土地と思い出」を辿ってみたら、土地土地、時代時代で、切ない! でもなんだか可笑しいエピソードが横溢!
【目次より】
下丸子、二分間、知らない人を大声でほめてけなす
日本橋、来年も買ってやるからな
元加治、真昼の暴走族
所沢店、売れ!私たちの福袋
田無、夏、恋人の家でひとりでエヴァンゲリオンを観た
諏訪、祖父と間欠泉
田園調布、知らない人の家でまずい水を飲む
恐山、会えないイタコと工藤パン
小岩、知らない街が、どんどん私の街になる
盛岡、北上川を走って越えて、母と私とソフトクリーム
曙橋、看護師の格好で登った木をさがす
大森、もう会うこともないだろうけどさ
他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
68
古賀さんのエッセイは、ある、あると感じることがあったり、どこか心の奥底に埋まっていたものが甦ったりします。最初に読んだエッセイは、どちらかというとサザエさんのような賑やかさが中心だったような印象でしたが、このエッセイは、しっとりした印象です。いくつかのほろ苦さは、とても心にしみてきました。2025/07/26
水色系
28
タイトル買い。ノスタルジーを感じるなあ。土地と記憶をつなげて書くエッセイ、自分の体験でタイトルを考えてみたくなる。「田無、夏、恋人の家でひとりでエヴァンゲリオンを観る」この題秀逸…。2026/02/01
おかむら
28
タイトルに惹かれて著者初読み。お店の人に「帰れ」と言われるなんてどんな豪快破天荒さん?と思ったら逆で理不尽な目に遭いやすい?人のエッセイでした。ダメなというかイケテナイ女子モノ 大好きーと思ったら、あれ?演劇のワークショップに参加したりクラブで夜通し踊ったりしてる面も…。何より一緒に旅行するような男友だちがいる←これはイケテル女子にしかいないと思う。なのでなんか地味なのか派手なのか判然としないながら文章はなんだか地味寄りの好ましさがあるので、もう少し他の著作(エッセイ)も読んでみたいと思わせる。2025/10/21
ゆみのすけ
23
タイトルのインパクトにやられて、手に取った本書は様々な土地とそこに纏わる思い出が語られているエッセイ。読みやすくてサラサラ読み進められるが、「えっ!?」と思うようなエピソードもあり、そこに引っ掛かりや驚きながらの読書だった。大学生になり祖父母と暮らし、そこで初めて社会生活の基本を教えられた話。演劇のオーディションで看護師の衣装で木に登った話。正月に無計画に異性の友人宅に押しかけた話。内容はその当時の「今」をちゃんとした質量で切り取っていて、心にそっと残る話が多い。2025/08/03
練りようかん
20
幼い頃からの土地と思い出をめぐる21のエッセイ。タイトルの出来事は腑に落ちない違和感が残るも、時代背景を考えると似たことあったなと思った。キュロットに驚いた下関、鹿児島の小学生から買う切手、八つ当たりが酷い池袋。人というもののわからなさや伝わらないことを強く意識させつつ、言葉のフチにはその人の感情がメラメラと見える文章と運びに引き込まれる。どれだけ近くても何十年も行かない縁の地はあるもので、再訪して掬い上げる今昔の景色と感慨にしっとりした。特に面白かったのは「~私たちの福袋」と「大森、もう会うことも〜」。2026/07/12




