内容説明
ノスタルジーと、可笑しみと。
池袋、飯能、日本橋、所沢、諏訪、田園調布、高知、恐山、湯河原……。
自分の中の記憶を、街単位で遡る。そこから掘り起こされる、懐かしいだけでは片付かない、景色と感情。
気鋭のエッセイスト、最新書き下ろし。
『好きな食べ物がみつからない』が話題の、最注目のエッセイスト・古賀及子最新書き下ろしエッセイ。
幼い頃からの「土地と思い出」を辿ってみたら、土地土地、時代時代で、切ない! でもなんだか可笑しいエピソードが横溢!
【目次より】
下丸子、二分間、知らない人を大声でほめてけなす
日本橋、来年も買ってやるからな
元加治、真昼の暴走族
所沢店、売れ!私たちの福袋
田無、夏、恋人の家でひとりでエヴァンゲリオンを観た
諏訪、祖父と間欠泉
田園調布、知らない人の家でまずい水を飲む
恐山、会えないイタコと工藤パン
小岩、知らない街が、どんどん私の街になる
盛岡、北上川を走って越えて、母と私とソフトクリーム
曙橋、看護師の格好で登った木をさがす
大森、もう会うこともないだろうけどさ
他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
57
古賀さんのエッセイは、ある、あると感じることがあったり、どこか心の奥底に埋まっていたものが甦ったりします。最初に読んだエッセイは、どちらかというとサザエさんのような賑やかさが中心だったような印象でしたが、このエッセイは、しっとりした印象です。いくつかのほろ苦さは、とても心にしみてきました。2025/07/26
ゆみのすけ
22
タイトルのインパクトにやられて、手に取った本書は様々な土地とそこに纏わる思い出が語られているエッセイ。読みやすくてサラサラ読み進められるが、「えっ!?」と思うようなエピソードもあり、そこに引っ掛かりや驚きながらの読書だった。大学生になり祖父母と暮らし、そこで初めて社会生活の基本を教えられた話。演劇のオーディションで看護師の衣装で木に登った話。正月に無計画に異性の友人宅に押しかけた話。内容はその当時の「今」をちゃんとした質量で切り取っていて、心にそっと残る話が多い。2025/08/03
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
13
▼とてもよかった。著者は元デイリーポータルZ編集部員で現在はエッセイスト…このプロフィールだけでも、この本に対する期待値が上がる▼著者が過去に訪れた東日本を中心とした22の場所について語られているエッセイだ▼幼少の頃の記憶、家族の思い出、自身の変人っぷり、他人から受けた理不尽な体験…こういったことが地域ごとに赤裸々に綴られている▼読むと、切ない気分になったり、大笑いしたくなったりと、感情がかなり揺さぶられる。過去の出来事が淡々と綴られているのに、著者が自分の心の深い部分を言葉に変換しているからだろう。2025/05/13
凸凹パレード
12
小見出しがキラーセンテンスになっている。思い出のある街を訪れて、曖昧なかつての記憶を思い出し懐かしむエッセイ。たいして何もないところから何かを文章にするのがうまい。一方で、職場であるビルの屋内に、雨で濡れた傘を皆が干すってそんなヘンテコな日常も古賀及子にかかればすべて凪になっていくよう…2025/06/17
ますずし
6
著者初読み。なんか今SNSで話題になっているような。読んでみました。爆笑系ではないです。ですが、じわじわと面白みが湧いてきます。ガハハでなく、フフフ。自分の全く行ったこともない場所なのになんだか既視感が。とりあえず読んでみてください。2025/08/10
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