内容説明
抑圧された他者の「声」が込められた複数のアートをともに鑑賞し「美的な問い」を共有すること。他者の生きる抑圧的な現実性から与えられる衝撃を、自身の生きたナラティブに基づく「声」で受け止め、異質な生活世界を生きる人々が互いに共有できる「声」を次第に増やすこと。その必要性を論じたグリーン晩年の主著の一つを初翻訳。
目次
序文 つくり途中のナラティブ
第I部 可能性を創り出す
第一章 文脈を探し求めて
第二章 想像力と未来への扉
第三章 想像力・コミュニティ・学校
第四章 ある教育学の発見
第五章 社会のビジョンと生の躍動
第六章 思い起こされる幼少期のかたち
第II部 照らし出すことと現れ出ること
第七章 カリキュラムのための継続的な探求
第八章 学ぶために書くということ
第九章 開かれるために教えるということ
第十章 アートと想像力
第十一章 テキストと余白
第III部 つくり途中のコミュニティ
第十二章 複数主義の情熱
第十三章 スタンダード・コモンラーニング・多様性
第十四章 多元的な声と多元的な現実性
訳者解説 声と教育─マキシン・グリーンの教育哲学
一 周縁化されたもの─グリーンの著作・論考の文脈をなすもの
二 グリーンの主要著作・論考の解説
三 生活世界に響く声─本書を読むにあたって
監訳者あとがき
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
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新たな可能性を切り開く根源的な力 多様な視点や経験を通じた学び 主体的に意味を構築するプロセス 既成概念を揺さぶる 不可視なものを可視化する 固定観念を脱し 二元論的な思考を乗り越える フィクションが持つ社会的な意味 共有された世界を築く 照らし出すことと現れ出ること 自身の内なる声に耳を傾ける 安易な受容を拒む姿勢 境界を越えて 真の包摂 固定的なカテゴリーを超える 周縁に置かれてきた人々の声 教師が学習者と共に学ぶ 正解のない問いに取り組む ありえたかもしれないという視点 共感と連帯感を育む2025/04/08