内容説明
民主主義を維持するためのメディアは健全に機能しているのか。本書はこの問題意識を根底に持ち、フランスにおける国民連合など極右政党が伸長する背景をメディアとの関係から解明する。日本でも極右やポピュリスト政党がウェブメディアを利用して大きな影響を与えている今日、メディアと民主主義の関係を改めて問い直す。
目次
序章 現実と理論の交錯
1.現代フランスのメディアと政治の構図
2.公共圏という概念
3.狙いと分析の枠組み
4.構成と概要
5.用語・表記・引用の定義
第I部 政治の構図とメディア公共圏の歴史的変遷
第1章 現代フランスの政治状況
1.極右政党の政治力
2.中道勢力の退潮
3.急進左派政党の政治力
第2章 フランス・メディアの歴史
1.革命への誘引と権力との確執
2.ジラルダンとマリノニ
3.多元主義と政府支援
4.国営のテレビ・ラジオ
第3章 メディア公共圏の変遷
1.公共圏概念の共通認識
2 革命期のカフェ
3.扇動される民衆
第II部 現代メディアの自律性・双方向性・対話性と民主主義
第4章 主要メディアの信頼喪失と民主主義
1.信頼度と暴力
2.メディア不信の背景
3.民主主義への懸念
4.極右系メディアの登場
第5章 インターネット公共圏の台頭
1.ニュースとインターネット
2.インターネット公共圏の特徴
第6章 極右政治勢力の公共圏分析
1.世論調査の実施
2.政治・経済権力からの自律性の分析
3.メディアと読者・視聴者間の双方向性の分析
4.読者・視聴者間の対話性の分析
5.投票への影響
終章 極右公共圏の展望
1.権力への従属と対立
2.インターネットによる変化
3.極右伸長のメディア的要因
4.公共圏の比較
5.問われるジャーナリズム
引用・参考文献
付録 インタビュー要旨(1~16)
あとがき・謝辞
索引(人名・事項)
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