内容説明
『哲学者の密室』の“悲劇”再び
矢吹駆シリーズ最新作!
間違われた誘拐
連鎖する誘拐
前人未到、永久不滅の誘拐ミステリ
1978年の秋、矢吹駆とナディアは“三重密室事件”の記憶を持つダッソー家での晩餐会に招待され、アイヒマン裁判の傍聴記で知られるユダヤ人女性哲学者と議論する。
晩餐会の夜、運転手の娘・サラがダッソー家の一人娘・ソフィーと間違えて誘拐される。さらに運搬役に指名されたのはナディアだった。
同夜、カトリック系私立校の聖ジュヌヴィエーヴ学院で女性学院長の射殺体が発見された。
「誘拐」と「殺人」。混迷する二つの事件を繋ぐ驚愕の真実を矢吹駆が射抜く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カケル
7
10年周期が2年半に縮まって嬉しくなる。「誘拐」という犯罪事象を人類史に重ね合わせる力業には唖然とする。ラストの論戦は凄かった。また前作から同時代(70年代)の時事ネタも多くなってニヤリとなる。2025/04/21
カワカミ
3
シリーズの中でも、上位を争う傑作と言っていいくらいの出来ではないかと。いまだここまで緊密なミステリを組める構成力を有しているのか、とわりと畏怖に近い感情を持った。二転三転する展開とそのたびに様変わりしていく事件の様相、増えていく謎でまさに霧がかっていくそれをついに晴らす解決の見事さ。個人的には凶器についての推理で一気に見通しが良くなる部分が好き。それから最終盤の、現代にもつながる悪と罪についてのつばぜり合いも含め、読みどころの多い作品でした。普通に今年のベスト候補だと思います。2025/05/06
角
3
シリーズ八作目。ここまで来たかという感慨とともに読む。ミステリとしての後半の展開を堪能しつつ、「誘拐」が哲学的文脈で読み替えられる議論部分も興奮。さらに『哲学者の密室』で主題だったホロコースト問題を、再度俎上に載せ、現代起きている問題まで照らそうとする、その20世紀を哲学的側面から検討しようとする著者の力業にも脱帽。2025/04/28
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