内容説明
アカデミー・フランセーズ賞フランス語文学賞、全アフリカ文学賞、アマドゥ・クルマ文学賞……カメルーン出身のドキュメンタリー監督による、賞総なめの衝撃作!
ジェンダーをめぐる差別が根強く抑圧的な社会で「自分」を生きるために闘う人を映しとる!
貧富の格差、女性差別、性的マイノリティへの弾圧。
家父長制と因習に縛られ、権力闘争が渦巻く国ザンブエナ。かつて教師として働いていたカトメは、野心的な政治家の妻として夫を支えるかたわら、親友のアーティスト、サミーの創作活動を支援していた。反体制的な表現者、そして同性愛者であるサミーの個展の幕開け、それは二人の運命の新たな扉でもあった。
私たちは皆、水の底で生きている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
35
舞台は架空の国とは言え、”アフリカ”の紛れもない現実を写し取っているに違いなく、作中で描かれるその全てに精神が酷くすり減らされた。どこか浮遊感があって決して当事者にはなり切らない主人公や、その周囲で繰り広げられる些末な家族問題なども、より一層に惨たらしい状況を際立たせる。終盤のあの描写は正直に言うと「そこまで描く必要があったのか」と露悪的なものを感じ取ってしまったが、軟弱な日本人が読むからこその感想なのかもしれない。「胸糞が悪い」というと雑な言い方になってしまうものの、それに近い後味の悪さはあった。2025/04/19
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