乱歩と千畝―RAMPOとSEMPO―

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乱歩と千畝―RAMPOとSEMPO―

  • 著者名:青柳碧人【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 新潮社(2025/05発売)
  • 光るあじさい!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~6/15)
  • ポイント 660pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103562719

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内容説明

大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。まだ何者でもない青年だったが、夢だけはあった。希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく……。若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。「真の友人はあなただけでしたよ」――泣ける傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

139
探偵小説の開拓者江戸川乱歩とユダヤ人への命のビザ発給者杉原千畝。旧制中学と早稲田で先輩後輩だった2人が偶然友人となったのを契機に、彼らを中心に有名無名の人物との出会いと別れが繰り広げられ、日本近代史のドラマが万華鏡のように展開する。知的な杉原を乱歩が明智小五郎のモデルとし、乱歩を探す杉原が浅草で会った変な外人とカウナスで再会する。彼らがいたからこそ多くの人が歴史に名を残し、あるいは新たな一歩を踏み出す姿が鮮やか。青柳流のひねったミステリ色はないが、あり得たと思わせてしまうエンタメとして出色の作品といえる。2025/06/10

ちょろこ

108
神作品の一冊。その一言を捧げたい。江戸川乱歩と杉原千畝。青柳さんによって今、命を吹き込まれたかのような二人の自然な出会い、時代と人間関係、そして人生岐路での心情全てが違和感なく滑らかに紡がれ結ばれていく過程に何度も感嘆の吐息がいっぱい。特にユダヤ人へ命のビザを発給する千畝の揺れる心情と決断はリアル感を伴い、胸を打たれ読んで良かったと思えた瞬間だった。乱歩と千畝、生きる場所異なれども求められるままの自分に対しての鬱屈、妻たちの支えの重なりもお見事。"友"という大きなリボンで結ばれたような創造の輪にただ感涙。2025/06/12

シャコタンブルー

57
人間嫌いの江戸川乱歩と外交官を目指す杉原千畝。人の暗部を暴き出す乱歩と迷いなく優しさを選択する千畝、水と油のように性格も志も異なる二人の育む友情が素晴らしかった。激動の時代の中で懸命に生きた彼等の軌跡が生き生きと描かれている。横溝正史、松本清張、松岡洋右等の著名人も数多く登場して物語を彩るので最後まで飽きさせない。その時代を一緒に走り抜けたような爽快感と達成感を共有した気分になった。一冊の本が人の心を明るくする。ビザの発行が人の命を救う。生きる尊厳がそこに存在していた。うつし世は夢、夜の夢こそまこと。2025/06/01

ゆっき

40
乱歩と千畝。もし二人が出会っていたら。青柳碧人さんらしい斬新な設定で圧倒された歴史小説。探偵作家の巨匠江戸川乱歩と多くのユダヤ人を救った外交官杉原千畝。人生の節目に出会うべくして出会う二人の縁。子供から大人までたくさんの人に読まれる作品を残した乱歩。命令に背いても自分の信念を貫きユダヤ人の命を救った千畝。道は違えど歴史を変えた二人。たとえすれ違ってもかけがえのない存在の二人の絆は強かった。横溝正史をはじめ、歴史上に名を残した有名人がたくさん登場するのも興味深かった。門井慶喜さん絶賛に納得の一冊でした。2025/06/01

hirokun

35
★4 これはどのような分野に属する作品なのだろうか?今作品を読み終えてそんな感慨に浸っている。江戸川乱歩と杉原千畝という探偵作家と外交官を主人公にした作品で、二人の関わり合いをフィクションで描き出し、互いの個性を上手く表現した小説となっている。どこまでが事実なのかわからないが、二人を取り巻く人たちを上手く配しながら、時々の時代背景を意識させている。2025/06/13

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