内容説明
すべてはここからはじまった――幕末から大正にかけて、未知の土地・北海道にわたり、近代都市・札幌を作った、島義勇、内村鑑三、バチラー八重子、有島武郎、岡崎文吉の熱き物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
199
門井 慶喜は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。建国意識に燃えた骨太の長編小説かと思いきや、初期の札幌および北海道に纏わる連作中篇集でした。オススメは、「開拓判官-島義勇-」&「流行作家-有島武郎-」です。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309039480/2025/04/25
KAZOO
131
北海道三部作を書かれた浮穴みみさんの作品に引き続いての北海道が主人公のような作品です。門井さんの作品は「地中の星」や「ゆうびんの父」を読んできてかなり印象深い気がしました。この作品も札幌が主人公のような感じで、5人の人物が登場します。浮穴さんの作品にも登場した「島義勇」や新渡戸稲造と同級生の「内村鑑三」、アイヌがらみの歌集を出した「バチラー八重子」、作家の「有島武郎」、技術者の「岡崎文吉」です。この中ではあまり有名でないバチラー八重子と岡崎文吉の業績が印象的でした。2025/07/28
まーくん
128
短期間ながらも若かりし頃、一時期を過ごした街札幌。考えてみれば札幌は近代の街。一人の英雄によって拓かれた街ではない。従って街の創成を語るには群像を以って語るのが相応しいのか。開拓判官島義勇、キリスト教思想家内村鑑三、アイヌの歌人バチラー八重子、作家有島武郎、治水技術者岡崎文吉の5人の物語を連ねて、この原野を切り拓いて創られた街と人の成立ちを語る。佐賀藩の島義勇は開拓判官に任命され実質開拓使の長として僅か3ヶ月で現在の札幌中心部の区割りとその道路建設を成し遂げる。が、上司の公家と合わず解任され政府を去り⇒2025/04/20
のぶ
108
幕末から明治にかけての北海道開発の歴史が、そこに携わった5人の人物から人生、事績、生きた時代が描かれることになる。その5人は島義勇、内村鑑三、有島武郎、バチラー八重子、岡崎文吉。知らない人物もいたが、内村鑑三と有島武郎は知っている業績とは違って、まさかこんな仕事に関わっていたとは思わず、興味深かった。初めて聞いたのはバチラー八重子と岡崎文吉で、バチラー八重子はアイヌ語も交じる短歌を発表し、岡崎文吉は土木技師で、石狩川の治水工事等に取組んだ業績が知られるという。門井さんの得意分野の作品で面白く楽しんだ。2025/04/23
tamami
100
江戸末期から明治時代中期まで、札幌に象徴される開拓時代の北海道を切り開いた、島義勇、内村鑑三、バチラー八重子、有島武郎、岡崎文吉の5人の先人に絞って、伝記的事蹟と足跡を辿る。当時の北海道と言えば、和人に搾取されるアイヌの人々という図式が頭を過ぎり、興味を削がれがちであったが、本書を読みその一端を払拭できたように思う。新聞小説の体裁は大変読みやすく、札幌の礎を築き、その発展に粉骨砕身した先人の思いに馳せながら読了する。また日本各地から集った人々によって一大都市が築かれたことに、明治という時代の不思議を思う。2025/05/14
-
- 電子書籍
- 火祭り村 第38話 コミックレガリア
-
- 電子書籍
- 偽装婚約は恋のはじまり【分冊】 6巻 …
-
- 電子書籍
- 作家になりたい! 3 恋愛バトルはホラ…
-
- 電子書籍
- 花屋の倅と寺息子 柄沢悟と蓮の花 SK…
-
- 電子書籍
- 薬局の正体―週刊東洋経済eビジネス新書…