新潮文庫<br> 春(新潮文庫)

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新潮文庫
春(新潮文庫)

  • 著者名:島崎藤村【著】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 新潮社(2025/04発売)
  • 夏至&父の日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~6/21)
  • ポイント 175pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101055039

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内容説明

岸本捨吉の教え子勝子に対する愛は実を結ぶことなく、彼の友人であり先輩である青木は理想と現実の矛盾のために自ら命を絶つ。――青春の季節に身を置く岸本たちは、人生のさまざまな問題に直面し、悩み、思索する。新しい時代によって解放された若い魂が、破壊に破壊をかさねながら自己を新たにし、生きるべき道を求めようとする姿を描く、藤村の最初の自伝小説。(解説・亀井勝一郎)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

47
漱石「三四郎」や鴎外「青年」のような青春ものかと想像したが大分違う。この青春は破滅的である。藤村20歳代前半の自伝小説は、自ら参加していた若手芸術運動の日々を正確に再現し、リーダー北村透谷の著作が数多く引用され、透谷の青春の激情の果ての自滅に紙数を費やす。花袋「蒲団」に代表される日本的"自然主義文学"、あるがままに描く告白小説のように、藤村自身の恋の告白も痛々しい。透谷は「理想の春」に欺かれ、芸術運動は「芸術の春」に失敗する。藤村は恋の痛手から逃げ、家からも逃げ、「人生の春」にも到達しない。春は遠い。2016/10/01

aika

42
この主人公のこれからに、果たして幸運はあるのか。教え子・勝子への恋に破れ、心も身体も漂泊せざるをえない捨吉。死の影は彼にまとわりつき、仲間たちとは同じくしていた志が次第に異なっていく。そして文芸の夢にも破れ、同時に家運も思わぬ方向へと傾いていく。これでもかという程の苦渋と挫折と共に汽車に乗った彼の、やり場のない人生の非情さに打ちのめされたまま読了しようとしていた瞬間、最後の場面、最後の言葉に、えも言われぬ感情が沸き上がってきました。この言葉が世に出るために、この作品は生れたのだと思わずにはいられません。2022/03/13

ケイ

36
主人公が、恋に悩み放浪しているところから話が始まる。お金もなく、気持ちも定まらない主人公を友人達が実にあたたかく見守っている。その恋した相手とは、何度か手紙のやり取りをしたり、少し顔を合わせただけで、なんという話もしないので、原因となった恋がどの程度のものであったのかわからず、二人の葛藤が想像にしくい、北村透谷がモデルと言われる青木の苦しさと妻とのやり取りの方が、切実さが伝わってきた。結局は、主人口の決心と成長を描いているのだろうが、作者のこれを書いた背景を知らないと、読み取るのが難しい。2013/11/12

フリウリ

23
青年の頃に読んだ時は、北村透谷(青木)のことをこれほど熱く書いているとは気づかなかった(透谷を知らなかったのだから仕方ないけど)。1908年発表。透谷が亡くなったのが1894年、藤村が東北学院に行ったのが96年と、およそ10年余前のことが書かれている。94年に透谷遺稿集を藤村(岸本)と星野天知(岡見兄)が編集・出版しているので透谷の大量の引用はたぶん正確。「蒲団」(07)翌年の出版で、花袋のほうが荒ぶる迫力はあるが、「自分のようなものでも、どうかして生きたい」の締めの一言は、やっぱりとても印象的。72026/06/17

たぬ

17
☆4 1908年発表の自伝小説。主人公やその周辺の行動や詩の引用など、フェイクは入っているがほぼ事実に即している模様。剃髪して家出してしまうほどに20代前半の主人公は日々思い悩んでいるが、全体的に「友達」の二文字が頻出していることもあり(「青木宅を訪ねたが、友達は留守にしていた」等)、友情っていいな、仲間っていいもんだなと羨ましくなった。慕っていた先輩の自死とかつてほぼ両想いだった女性の産褥死は私にとっても衝撃だった。2026/01/06

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