内容説明
オランダとはどういう国か。その歴史を図やイラストを使いながらわかりやすく、ていねいに描く。コラム「そのころ、日本では?」「知れば知るほどおもしろいオランダの偉人」も役に立つ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まえぞう
19
シリーズ18冊目はオランダです。ハプスブルグ家が確保した地域ですが、スペインからもオーストリアからも離れていて、独立、通商国家として発展します。ただし、王様をわざわざ外国から連れてきているのはよく理解できません。オランダは一地方の名前なので、各国にネザーランドと呼称するように要請していますが、日本には、過去の経緯もあってオランダという呼び名も容認するとしているそうです。2023/08/12
たかぴ
6
オランダってどんな国だったっけ?と手に取る。 大国に挟まれてながらも自国の特産物が少なく、ライン川の出口という交通の要所だと打てる策も限られてくる。 土地の低さと寛容、非寛容の流れも面白い、2023/09/10
Tomozuki Kibe
5
簡単にわかるオランダ史。ブルゴーニュ公の伸長に伴い中央集権へ。だが自治は残す。フェリペ二世の弾圧が戦争を招き、ついに独立に至る。ユダヤ人を採用して経済発展を遂げる。仏革命でバターフ共和国→ナポレオン弟の王国へ。ただし彼の融和政策に業を煮やしたナポレオンにに、1830年にはベルギー独立するがザクセン王家がベルギー王に、オランダの軍事侵攻は仏が間に入って阻止155P ウィーン体制ではオラニエ公が国王148Pに国王権力は1848年の憲法改正で緩む156P 新教旧教自由主義社会主義がかみ合わず併存する柱状化社会へ2024/07/02
古谷任三郎
5
オランダといえば風車のチューリップとのイメージが極めて強い。だが、日本史を学べば、江戸時代に日本と最も交流の深い国であったし、明治時代はオランダの治水技術を参考にしたし、太平洋戦争でも戦い合った歴史を持つ。個人的にオランダ史は、東インド会社を代表されるように海洋帝国として覇権を握った17世紀よりも、近現代史の方が面白い所だ。女王が3代と続き、2度の大戦では中立を保ち、柱状化社会やオランダモデルなどの社会体制は学べる所が多い。今移民問題で悩まされているオランダだが、日本も同じ轍を踏まない様にしたい。2023/10/15
スターライト
5
スピノザからの流れで、オランダの多極共存型社会がどのように成立したのかに興味があり着手。ヨーロッパの国なので、多民族・宗教が同国に与えた影響は大きく、国家自体も王政と共和制の間を揺れ動きながら推移していった様子が理解できた。言われるまでもなくオランダは、鎖国体制にあった江戸時代の日本で唯一交流が続いた国。日本との関りも深く、まさか東京の八重洲がオランダ由来のものだということを本書で初めて知った。2023/09/23