内容説明
精神分析はトラウマ問題をどのように理解し,どのような臨床アプローチをしていけばいいのだろうか。本書では,個人の主観性の理解を通した援助をしてきた精神分析が,より広く社会と個人との関係を扱い,クライエントとともにトラウマ経験の意味を問い,主体性の確立を目指す立場が貫かれる。
精神分析がトラウマの問題にどのように貢献し,またしうるのかという問いをめぐる論考による第I部,被虐待経験や発達障害を持つ人への精神分析的心理療法の実践を収めた第II部から,いじめ・犯罪被害・災害という現代の社会問題にみられるトラウマに対する精神分析的アプローチを示した第III部までを通して読むことによって,従来の精神分析の知見をブラッシュアップし,トラウマ臨床の新たな視点を得られるであろう。
巻末には関連用語の解説を付し,精神分析に馴染みのない読者や初学者にも読み進めやすい一書となっている。
目次
はじめに
第I部 精神分析とトラウマ――理論的考察
第1章 精神分析と心的外傷〔福本 修〕
第2章 知らない出来事のトラウマ性〔森 茂起〕
第3章 精神分析がトラウマ臨床に提供するもの――精神分析の役割の批判的再検討〔平井正三〕
第II部 発達とトラウマ――発達性トラウマ,ASD
第4章 発達性トラウマと回復――間主観性/相互主体性ゲームの観点から〔平井正三〕
第5章 ASDとトラウマ――トラウマの反復と回復をめぐって〔平井正三〕
第6章 トラウマを抱えた子どもの精神分析臨床〔西村理晃 吉岡彩子〕
第III部 コミュニティとトラウマ――いじめ,犯罪被害,災害
第7章 いじめの問題に心理学ができること〔上田順一〕
第8章 トラウマの軌跡――犯罪被害者との経験〔櫻井 鼓〕
第9章 被災とトラウマ治療――福島での実践〔堀 有伸〕
用語集
あとがき
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