内容説明
DV、ドラッグ、差別、貧困――暴力団の家庭には社会のあらゆる問題が詰まっている。両親は朝から注射を打ちセックスに耽り、クスリが切れた瞬間に血だらけになるまで殴り合う。学校では極道家庭と白い目で見られ孤立し、出自が影響して就職は不可能に近い。ヤクザの血を継ぐ人間は表の世界で生きられないのか。14人の「ヤクザの子」が証言する哀しい半生。「ヤクザ・チルドレン」改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiᵕ̈
31
未知なる世界の話だけど、タイトルの子として生まれてしまったが為の想像を遥かに上回る壮絶な人生の数々。周りの環境があまりにも過ぎると、余程良い人と巡り合うか、自分の強い意思がない限り、同じ末路を辿る運命に抗えないのかと思う位どの家庭も似ている。せめて母親だけでも子を守ってあげられないのかと思いたい気持ちは、"そもそも"にかき消されてしまう。あとがきにも書かれていたけど、必要なのは保護であり、親が子に対して愛情のかけらもなく同じ道に引っ張りこむのであれば、そこから救い出してその子の人生を歩める機関が必要だよ。2025/05/19
イトノコ
24
キンドル。ヤクザの子供として生まれた14人へのインタビュー。暴力、ドラッグ、貧困、差別…負の要素に囲まれた彼らの壮絶な人生。/我々に「子供に罪はない!差別するな!」と言っても難しい。ならば著者が主張するように公権力が介入するのはわかる。正論だが、それも難しいだろう…ヤクザである親やそれに影響された本人も公権力を敵視しているのもそうだし、ヤクザの子への福祉を篤くすると言っても一般=納税者の理解が得られない。また、半グレの子は放置してもいいのか?という話にもなるし。理想は、全ての恵まれない子に福祉の手を。2025/06/05
ミワ
22
究極の親ガチャ。子供がグレて喜ぶ親って😓。子供を保護する必要性があとがきに書いてあった。それはすごく理解できる。子供は望んでその家に生まれてない。環境が違えばその子の人生は違っていた可能性が…。とは言え、自分の子供の学校にその子供がいたら、「付き合わないように」言ってしまうんだろうな。2025/05/15
GAKU
21
以前、新刊本で読んでいました。2025/05/10
たっきー
14
『ヤクザ・チルドレン』改題文庫化。暴力団構成員の子として生まれた14人のインタビュー。皆壮絶な人生を歩んでいる。普通の家族関係、家族の団欒というものを知らないので、傍からみれば信じられないようなことが本人たちにとっては普通のことなので、嫌であっても自身が親と同じような道を歩んでしまうことも多い(中には親を反面教師としていく人もいるが)。暴力団構成員は高齢化、貧困化で年々減少しているが、半グレ(暴力団に属さない不良集団)は増加していて、その子どもたちも同じような道を辿るのだろなと暗澹たる気持ちに。2025/06/26