内容説明
注意力散漫で移り気で、そそっかしくて人の話を聞かない。なのにクリエイティブで粘り強く、探究心旺盛でハイパーフォーカス能力があったりする……心当たりがありますか? あってもおかしくない、誰でもADHDの傾向はあるのだから、と精神科医の著者は言います。ではなぜ人類の進化において、そんな「普通とはちょっと違った」脳が生き残ったのか? 読めば生きづらさが強みに変わる、世界的ベストセラー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロ
92
以前にスマホ脳を読んで以来のこの作者の本を読みました。ADHDについてのさらに深い知識も記載していてとても参考になりました。特にDRD4-7R遺伝子についてはとても驚かされました。これが人類が世界中に移動していったことに関係しているなんてロマンも感じましたし、この強みをどのように生かしたらいいか等も参考になって、ホントに読んでよかったです。2025/04/24
紅咲文庫
27
ADHD(注意欠如・多動症)は群れとして生きる為に必要な人材だった。集中できないということは、様々な事柄に反応し些細な変化にも気がつけること。未知の場所や事象を恐れない人がいることで人間は世界中に広がったのだろうと。現在ADHDと診断され投薬されている人がこれほど多い(※)のはなぜか。学校の勉強があまりにも集中を強いる様式で、生活に困難を感じていない程度でも投薬が行われているのではないか、巨大マーケットにされているのではないかという提言。運動は5分程度の短時間であってもその後の活動の集中力を向上させ、→2025/04/28
morinokazedayori
16
★★★★人は誰でもADHD要素があり、濃いか薄いかのグラデーション。適応的かどうかは、社会の在り方による。とした上で、人類の歴史や遺伝子の仕組みにも触れつつ、ADHDの強みを活かす方法について書かれている。専門性もありつつ一般向けに分かりやすく書かれていて、医師としてどう向き合うか、著者の矜持が溢れている。2025/05/04
Francis
11
「スマホ脳」などで日本でもベストセラーを連発している著者のADHDの解説本。内容は日本での新書レベルでの解説書が書いている事と近いものがある。ADHDがこれまでの人類の進化の過程で生まれたものであり、人類が農耕社会に入ったために、ADHDの持つ長所が生かしにくくなったことが強調されている。すべての「障害」に言える事ですが、「障害」が問題になるのは社会とのかかわりのゆえなんですよね。ADHDは薬物治療を求められることが多いがそうでない方法が望ましい事も強調されているなど、ADHDを知るうえで必読書と言える。2025/04/22
もず
7
あなたはどのくらいADHD?ふざけた質問ではなく、誰しもADHDの傾向がある。その傾向の多寡でADHDの診断がつく人とつかない人がいる。多動、衝動性、集中困難─これらはADHDの典型的な特徴で、サバンナで暮らしていた人類には生存確率を上げる大きな「強み」だが、現代の学校や職場では「弱み」になってしまう。一方で実行力、斬新なアイデア、過集中できることも特徴で、起業家やプログラマの天職でもなる。「ADHDはAMDD(注意・モチベーション欠如症)に改名すべきだ」とも。万能の解決策として運動は天然の治療薬である。2025/04/28