内容説明
有効な学習法とはどういうものか.外国語が身につくとき,学習者にどんな変化がおきているのか.いつどこでも勉強できる辞書や教材がネットに豊富にあり,オンラインコミュニケーションの発達によって外国語を使う機会が増えた今こそ,学習法を見直そう.ロングセラーの初版に補章やコラムを加え,最新の状況に対応した新版.
目次
新版へのまえがき
プロローグ
外国語学習に王道はあるか
第二言語習得研究とは何か
経験至上主義から科学的アプローチへ
1 日本人はなぜ英語が下手なのか──その1 動機づけ
動機づけが低いと外国語学習の成功は不可能
動機づけはどこからくるか
統合的動機づけと道具的動機づけ
にわとりが先かたまごが先か
2 日本人はなぜ英語が下手なのか──その2 母語の影響
言語間の距離で習得難度は決まる
日本人は韓国語なら,すぐうまくなる?
言語転移
転移は言語に特有の現象ではない
母語によらない普遍的な習得順序はあるか
日本人に特有の習得順序
言語転移はいつおこるか
無理して話すと変な英語が身につく
典型的と思えるものだけ直訳する
Give me a break=休みをください?
正の転移と負の転移
言語間の距離が近いほど転移がおこりやすい
言語間のマッピング
発音は母語の干渉が強い
文化も干渉するか
3 外国語学習に成功する人,しない人
どんな学習者が第二言語習得に成功するか
年齢要因(臨界期仮説)
若ければ若いほどよいか
なぜ年齢が外国語習得の成功を決定するのか
人種の影響?
個人差の要因
外国語学習の適性とは何か
適性テスト
外国語ができると知性がある?
知性と外国語学習適性の関係
女性のほうが外国語学習に向いているか
外向的な人が成功するか
自己抑制をあまりしないほうがよい?
4 外国語が身につくとはどういうことか
言語習得は聞くだけでおこる?──インプット仮説
聴解優先教授法の圧倒的効果
テレビから言語習得ができるか
わかるが話せないバイリンガル
インプット+「アウトプットの必要性」が習得のカギ
「英語で考える」とは
コラム◎テクノロジーと外国語学習
言語習得のメカニズム
知っているのに使えない知識
無意識的な習得とは
知識の自動化モデル
なぜ三単現の-sがいつまでたっても使えないのか
外国語を話しているときは頭が悪くなる?
インプット仮説か自動化モデルか
5 どんな学習法なら効果があがるのか
外国語学習理論の前史
言語学と心理学による学習理論
「第二言語習得研究」の誕生
誤用分析の限界
中間言語分析
第二言語習得研究における重要な発見
習得順序
教えることで効果はあるのか
教えることで習得順序を変えられるか
教えることにより学習者の志向を変えられる
形式中心から意味中心へ
日本は相変わらず形式中心
文法訳読方式の功罪
コラム◎入試と外国語学習
自然なインプットとアウトプットの効用
補章 生成AIの衝撃
フェイクを見破ることが困難に
外国語学習への応用
生成AIの問題点
ハルシネーション
うまく付き合うことが肝心
付録 知っておきたい外国語学習のコツ
インプット
アウトプット
単語・熟語
発音・音声
文法
動機づけ
3カ月の学習で15分間会話ができるようになる学習法
おわりに
参考文献
感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
Wisdom
Tatsuya Sato
あらい/にったのひと