内容説明
19世紀末.赤ん坊のころに難破船から助け出されたソフィーは,学者のチャールズに育てられた.ロンドンで12歳になった彼女は,母の記憶と形見のチェロケースを手がかりに,パリへ.そこで屋根の上を住処とする子どもたちと出会って…….仏ソルシエール賞ほか受賞多数.切ないほどの愛と勇気を,音楽がいろどる冒険物語.
目次
はじめに
屋根の上のソフィー
訳者あとがき
装画・カット 山口洋佑
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NakaTaka
9
19世紀末。船が沈没し救出された赤ちゃんは、学者のチャールズに引き取られソフィーと名付けられロンドンで育てられた。チャールズは、国立児童保護協会の審査を毎年受け、ソフィーが12歳の時とうとう養育資格無しと認定されてしまう。ソフィーはチャールズと離れたくない。その後ソフィーの救出時乗せられていたチェロケースから手がかりを得てソフィーとチャールズはパリへ向かい母を探す。チェロを演奏する場面にはとてもワクワクした。がパリで出会ってソフィーに協力してくれた子供達は現実離れしていて物語に入り込めなかった。2025/09/23
みずいろ
6
時間を忘れて読み耽ってしまった。夜風を切り、パリの街の上を走る子供たち。パリのどこかで暮らすはずのまだ見ぬ母を探す冒険に、最後までドキドキしてしまった。変わり者だが愛情深く、ソフィーを信じ背中を押し続けるチャールズが素敵。「きみは、信じる才能を持っている。それを失くしてはいけないよ」「愛と勇気は、一つのものに与えられた二つの呼び名だ」与えられた愛を武器に、屋根を駆けてチェロを弾くソフィー。パリの夜空の下、音と音が結びついて…。マテオとソフィーの食事シーン最高!たくましく生きる子供達に幸せがありますように。2025/08/20
Incisor
4
屋根の上を渡り歩く子どもたちの躍動感が五感に伝わってくるようだった。高いところが得意でないので、ハラハラドキドキ、手に汗を握ってしまうほどリアルだった。2025/04/18
菱沼
4
解説にもあったけれど、オリバー・ツイストを思い出した。メルヘンのような物語だけれど、よく読めばどこにも超自然的なことも異世界も魔法も出てこない。すべての不思議と奇跡は人間が作り出している。リアリティだけを重視して考えれば懸念やつっこみ所はあるけれど、それを凌ぐ面白さがある。「お母さん」という存在が、そんなに求められ、愛される存在であることに若干の羨ましさと悲しさを感じた。チャールズの愛と信頼は、たいていの「お母さん」より大きいと思った。2025/03/31
かはほり
2
とても面白いのだけど、高所恐怖症の私は屋根から屋根に渡っていくところが、物凄く怖くて読むのがしんどかったです。でも読むのが止められないの。2025/03/30