岩波新書<br> 世界の貧困に挑む - マイクロファイナンスの可能性

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岩波新書
世界の貧困に挑む - マイクロファイナンスの可能性

  • 著者名:慎泰俊【著】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 岩波書店(2025/03発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004320555

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内容説明

世界人口の半分近くが貧困の中にある.生活環境を変えるためにはお金が必要だが,貧しい人々にとってはお金を借りることも返すことも困難だ.ではどうしたらいいのか.――この世界的課題を解決するのが,小さな金融サービス=マイクロファイナンスだ.その実践に取り組む著者が,現状と課題を最前線から伝える.

目次

序章 「機会の平等」のための金融包摂
第1章 お金はいかにして回っているのか
1 お金とはなにか
2 お金はどうやって回るのか
3 お金がスムーズに回るためには金融システムが必要
第2章 生きるための金融サービス
1 貧困とはなにか
2 貧困層の人々が用いるインフォーマルな金融サービス
3 低所得層にとって、預金と借入は似ている
4 低所得層向けのフォーマルな金融サービス
5 金利はどのようにして決まるのか
6 融資と倫理──なぜ金貸しは2000年以上憎まれてきたのか
第3章 金融排除から金融アクセス、金融包摂へ
1 グローバル・フィンデックス・レポート
2 金融アクセスから金融包摂に焦点が移った理由
第4章 マイクロファイナンスの現代史
1 その歩み──3つのマイクロファイナンス機関
2 世代間の葛藤と対話
第5章 金融包摂におけるフィンテックの成果と課題
1 テクノロジーによる変革
2 フィンテックの最前線
3 新たな時代へ
第6章 マイクロファイナンスは本当に役立っているのか
1 なぜ熱狂は冷めたのか
2 貧困削減に貢献できるか
3 どのような指標を用いるか──パフォーマンスとインパクト

第7章 未来のマイクロファイナンスはどうあるべきか
終章 日本や先進国からできること
あとがき
謝辞
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

84
世界人口の半分近くが未だ貧困の中に居る。生活環境を変えるためにはお金が必要だが貧しい人にとってはお金を借りることも返すことも困難だ。機会の不平等をどうしたらいいのか?…この世界的課題を解決するのが小さな金融サービスマイクロファイナンスだ!とある。著者は民間版世界銀行設立を目指している。大富豪から生活困窮者まで多様な人々に会って話を聞くバランスがとれた賢人の印象だ。私達にもできること。お金と時間の使い方を見直せば社会は確実に変わると。なんらかの活動をする時、それは意義があるかどうか?を考えるようにしよう。2025/04/28

skunk_c

60
バランスの良い問題意識と、抜群の行動力を感じさせる著者による、現代のマイクロファイナンスの現状と課題をわかりやすく解説した書。グラミン銀行で一躍有名になったマイクロファイナンスについて、その成り立ちや歴史、しくみを、お金とか貧困といった超基本レベルから説明している。特に近年のマイクロファイナンスの問題点は、実際にはかなり困難な側面も感じたが、著者自身が実践者としてそれを乗り越えようとする気概を感じる内容だった。また途上国でのスマホ決済のしくみなど、なぜ上手くいくのかが不明だった点が明らかになった。良書。2025/05/12

ひと

16
ムハマド・ユヌス氏がノーベル賞を受賞した際に話題になったグラミン銀行。その後、マイクロファイナンスのような取り組みどうなっているのか追えていなかった。本書は、自身もマイクロファイナンス事業を展開するスタートアップの社長による入門書。金融の初歩からマイクロファイナンスの歴史、今後の展望、自らの夢などが現場目線で語られていて参考になる。「貧困」ということで途上国での機会平等の実現が目標になっているが、日本でも貧困問題がなくなった訳ではない。このアプローチが日本でも応用可能かどうかが気になった。闇金は嫌なので。2025/04/06

ゆうすけ

8
金融の本質をとてもわかりやすく説明している名著だと思う。著者の経歴もと日本にいると当たり前のことが、途上国ではそうではない。そもそもなぜ金融が社会にとって大事なのか、ここまで説得力のある説明はなかなかないと思います。著者は物事を本質的且つわかりやすく解説できる天才かと。たまにこういう稀有な能力をもっていう人がいるのです。ほぼ同世代ということも、刺激を受けた理由の1つ。2025/07/29

リットン

7
五常・アンド・カンパニーの創業者が著者で、マイクロファイナンスの歴史や課題などをまとめている。ムハンマド・ユヌスが有名だけど、それも一部なのだなと感じた。最後の方に、マイクロクレジットが意味を持つのは、事業をしている人で、そうでないその日暮らしの人には自由度が足りず、あわないというのはなるほどと思ったけど、同時にそれはそうではとも思った。けど、後者に向けようとすると一層事業としては難しいんだろうなとも思う。マイクロファイナンスの概要をこれで知ったうえで五常・アンド・カンパニーがなにをしてるかも知りたかった2025/07/28

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