内容説明
「群像」連載を書籍化!
全国の数ある中学校のうち、唯一「中」という漢字が付かない中学校「慶應義塾普通部」。福澤諭吉の精神が今も生きる学校で「私」が目にしたものとは? 政治学者にして「鉄学者」のその後を決定づけた普通部の三年間を描いたメモワール。
少年は「真のアカデミア」に出会うことはできるのか?
目次
エピグラフ
第一章 受験の朝
第二章 入学
第三章 早慶戦
第四章 南武線・青梅線
第五章 なぜの転校生
第六章 春闘の季節
第七章 運用番号と編成番号
第八章 「横浜線電車列車ダイヤ」と「車両運用検査清掃予定表」
第九章 アカデミアの幻想
第十章 未来からの挑戦
第十一章 関西私鉄との出会い
第十二章 慶應の「黒い霧」
第十三章 再び第一校舎へ
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tenorsox
3
慶應普通部に入学したはよいが、違和感が積み重なってとうとう大学への推薦を辞退した話(早稲田へw)。毎年の自由研究で校外で得られた経験や知識の深さと授業のつまらなさとのギャップ(機会提供には感謝)、自由な校風ながらも諭吉信仰や早慶戦の応援時に感じた宗教っぽさ(&それ等に係る幼稚舎組との温度差)、在学中に発覚した不正入学(&学校側の対応)等について振り返っている。甲子園優勝が執筆のきっかけ&高校時代の話が皆無で草&鉄オタ過ぎて時々ついていけない&別著「滝山コミューン1974」とのセット読みを強く推奨したい。2025/06/11
ひろし
1
原先生の記憶力にただただ驚く。2025/04/08
みんな本や雑誌が大好き!?
0
開成中に落ちて、「慶應義塾普通部」を受けて合格。主要四教科のみならず体育や工作、図画、音楽なども受験科目にあったそうです。そんな受験体験記から本書は始まります。合格後、最後の子供料金で電車に乗れる春休みに、一人旅で叔母の家(三重・津)まで鉄道旅。そこからは従姉(中学生)と共に大阪へ。そしてまた一人旅で松本に行き、東京に戻る。その間でのさまざまな回想のシーン。えぇ?そんなことまで覚えているの? えぇ、そんなことを内心思っていたの? という記述が次々と出てくるのです(詳しくは本書をお読みください)。2025/07/04