内容説明
中学卒業と同時に親元から飛び出し歌舞伎町にたどり着いた15歳の少女・七瀬。わずか15年の人生で絶望を味わい、すべてをあきらめている七瀬にとって、歌舞伎町は唯一、心を安らげる場所だった。トー横広場で仲間とダベり、危ないバイトに手を出していくうち、歌舞伎町の闇社会や家出少女たちを食い物にしようとする大人たちとも関わっていく。そして事件は起きた――。社会派サスペンスの新鋭が描く衝撃の復讐劇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
433
15歳のトー横キッズが急に権力者や闇のコネクションに恵まれだすの何で?という根本的すぎる疑問はさておき、トントン拍子で読みやすいのも良しとして、復讐(浄化?)するにあたって全然必要ない行動が多すぎる気がして仕方がない。どのみち薬を盛って始末するだけなら、ホストクラブでの無駄すぎる散財とかに何一つ意義がない。その後にカケを飛んで、客もいなくして絶望させた後に、とかならまだ話もわかるけれど、有頂天の真っただ中にやるくらいなら最初からストレートに拉致した方がいいのでは。2025/03/29
鉄之助
288
デビュー作『悪い夏』や『正体』など映像化されやすい染井為人の新作。読んでいて絵が目に浮かんでくる、テンポよい筋運びだった。これも映画になるかな…と思いながら読み進めた。歌舞伎町の裏社会が迫ってくる。主人公・少女の復讐劇だが、総理や都知事が簡単に暗殺されるのは、ちょっと納得がいかなかった。2025/07/06
starbro
280
染井 為人、2作目です。本書は、トー横キッズ歌舞伎町復讐駆除青春ノワールでした。しかし切れ者のはずの矢島が間抜け過ぎるような、間抜け過ぎるような気がします(笑) https://www.futabasha.co.jp/book/978457524806700000002025/05/18
イアン
189
★★★★★★★★☆☆歌舞伎町を舞台とした染井為人の長編。親の愛情を知らずに育った15歳の少女・七瀬。流れ着いた歌舞伎町で知り合った親友を見殺しにされ、自らも抹殺されかけたことで社会を牛耳る大人たちに復讐の念を抱くが――。「トー横キッズ」と呼ばれ社会の底辺を生き抜く七瀬を主人公とした第一部から一転、第二部では支配的な地位を得た人物が謎の美女に翻弄され、失墜していく過程を描いている。その勧善懲悪ぶりに爽快感を覚える一方で、無機質さも感じてしまう。空白の5年間に生じたであろう葛藤を、ぜひ続編として描いて欲しい。2025/08/07
hiace9000
186
社会と人の欲と金と闇が生んだ「トー横キッズ」の存在をモチーフに、染井ノワール感たっぷりで描く犯罪小説。眩い輝きを放つ不夜城である歌舞伎町には、陰や闇がありそれゆえそこを塒にするしかなった人間も集まり、それを食い物にしようと群がる悪もある。不良、半グレ、ヤクザは染井さん得意領域だが、今作の「トー横に屯する少年少女ら」へ向ける作者の眼差しは、単に悪や憐憫、同情だけではない。社会的弱者を食い物にしようとする、あらゆる階層の輩どもへの憤りと怒りの復讐譚であるようにも思う。2部構成の醍醐味を存分に味わい楽しめる。2025/04/29
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